米国政治、TikTok売却への道を二大政党トップが支持
米共和党上院トップのマコネル院内総務は、中国企業ByteDanceが所有するTikTokの米国からの売却を義務付ける法案を支持した。彼の見解では、TikTokは「米国最大の戦略的ライバル」である中国の影響下にあり、米国の安全保障を脅かす。
一方、民主党上院トップのシューマー氏は、TikTokをめぐる超党派の法案が近く前進するとの見方を示した。米下院では既に、ByteDanceにTikTokの米国事業を売却するよう求める法案が可決されている。
アイルランドの37歳の次期首相候補、サイモン・ハリス氏はTikTokを熱心に活用していて、「TikTok宰相」の異名を持つ。彼は若者とのつながりを重視している。
ドイツの政治家たちは、TikTokの活用を模索し始めている。保健相やショルツ首相もTikTokアカウントを開設し、若年有権者への働きかけを強めている。ただし、TikTokの情報セキュリティーをめぐる懸念は払拭されていない。
TikTokの禁止がもたらす影響
TikTokの禁止や規制強化が現実化した場合、大きな影響が予想される。
インフルエンサーマーケティングの分野で、TikTokを主要なプラットフォームとしていた企業や個人クリエイターには、大きな打撃となるだろう。広告予算の多くがYouTubeやInstagramなどの別のプラットフォームに移行することが予想される。
異なるプラットフォームへの移行は容易ではない。TikTokのアルゴリズムに適応したコンテンツがうまく機能しないリスクがあるからだ。
TikTokがeコマースの重要なトラフィック源となっていたブランドには、大きな影響が及ぶだろう。新しいプラットフォームでの広告コストの高騰も懸念される。
インフルエンサーマーケティング業界は、リスクを最小限に抑えるため、複数のプラットフォームを活用するなどの対策を講じている。一方で、TikTokに特有の魅力的な広告フォーマットの喪失も課題だ。
全体として、TikTokの存在は広告業界に大きな影響を与えている。その禁止や制限は、クリエイターやブランド、広告主に大きな混乱をもたらすことが予想される。メディア支出の最適化や新たな広告手法の開発など、業界全体に変化をもたらすだろう。
【関連リンク】
・中国企業によるTikTok売却、米共和上院トップが法案支持(Newsweek)
https://www.newsweekjapan.jp/headlines/world/2024/04/492914.php
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TEXT:PreBell編集部
PHOTO:iStock
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