生成AI事業に積極的に投資する米IT大手、日本市場の可能性に期待
岸田首相がワシントンを訪問した際、米IT大手マイクロソフトのブラッド・スミス社長と会談し、生成AI(人工知能)やサイバーセキュリティー分野での協力が確認された。
マイクロソフトは、日本市場への投資を大幅に拡大し、今後2年間で約4400億円を投資するとの発表があった。これは同社の日本への最大の投資である。
マイクロソフトは東京と大阪のデータセンターの強化と、研究開発拠点の新設を計画している。具体的には、最新のAI向け半導体の導入と、AIやロボット工学の研究を通じた高齢化や生産性向上などの社会課題への取り組みがある。
さらに、AIを活用可能な人材の育成に力を入れ、3年間で300万人の研修支援を行う計画もある。
2030年には市場価値が1兆7700億円規模に
マイクロソフトがこのような大規模な投資を行う背景には、急速に拡大する日本国内の生成AI需要への期待がある。調査機関AMROの試算では、日本はAIで自動化される可能性の高い雇用の割合が14.4%と最も高く、今後の生成AI活用が不可欠と見られている。
一方、日本企業でもNTTやNECが独自の生成AIサービスの提供を始めるなど、国内市場の獲得を目指す動きが広がっている。電子情報技術産業協会の予測では、日本国内の生成AI関連市場は2030年には1兆7700億円規模に達する見込みで、各社が事業強化を急ぐ背景となっている。
このように、生成AIをはじめとするデジタル分野での日米協力が加速している。岸田首相は「デジタルインフラを持つグローバル企業との連携は、日本産業全体にとって重要だ」と述べ、関係強化の意向を示した。日本の技術基盤と米国の投資が結びつき、生成AIの活用を通じて社会課題の解決につながることが期待されている。
【関連リンク】
・マイクロソフト 日本事業に約4400億円投資へ 生成AI需要拡大で(NHK)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240409/k10014416831000.html
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TEXT:PreBell編集部
PHOTO:iStock
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