AIが創り出す、オーディオブックの新たな世界
AIスタートアップ「Speechify」が提供するオーディオブックが、注目を集めている。Speechifyは、自分の声や有名人の声でオーディオブックを聴くことができる、新たなサービスを提供している。
その仕組みはシンプルだ。ユーザーは自分の声をインポートし、AIに声のクローンを作成させる。すると、AIがあなたの代わりに好きな本を読み上げてくれるのだ。
Speechifyの最大の強みは、どんな本でもオーディオブックに変換できる独自性にある。AudibleやSpotifyなどの既存のサービスとは一線を画し、CEOのクリフ・ワイツマン氏は、この点こそがSpeechifyの差別化戦略であると確信している。
Speechifyの技術力は、独自開発したプログラムとAIディープラーニング技術の融合によって成り立っている。「連結テキスト読み上げ」とも呼ばれるこの技術は、事前に録音された音声サンプルを利用して、自然な人間の声を生成する。10万時間以上のオーディオサンプルを使用したトレーニングにより、AIはより人間に近い、自然な発声を可能にした。
Speechifyの利用方法とオーディオブック市場の未来
Speechifyは、スマートフォンアプリやChrome拡張機能として気軽に利用できる。GoogleドライブやiCloud、Dropboxなどのクラウドサービスと連携し、保存されたコンテンツを音声で楽しむことができる。
無料版では6つの読み上げ音声が提供され、最大1倍速で聴くことが可能だ。月額11.67ドルのプレミアム版では、250以上の音声と50以上の言語から選択でき、最大4.5倍速での読み上げを体験できる。直感的なユーザーインターフェースは、誰もが簡単に音声を複製し、テキスト読み上げ機能を利用できるように設計されている。
さらに、Speechifyの可能性を高めているのが、拡大するオーディオブック市場の存在だ。Audio Publishers Associationの報告によると、2023年のオーディオブック市場は12年連続で成長し、年間総額20億ドルに達した。
成長が著しい市場において、自分の声や憧れの有名人の声でオーディオブックを楽しめるという体験は、従来のオーディオブックとは異なる没入感をもたらし、多くのリスナーを魅了するだろう。
【関連リンク】
・あらゆる本を、好きな声でオーディオブックに--AIスタートアップSpeechifyの挑戦(CNET Japan)
https://japan.cnet.com/article/35220985/
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TEXT:PreBell編集部
PHOTO:iStock
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