ZOZO(ゾゾ)、「ゆっくり配送」サービスの導入
ファッションEC「ZOZOTOWN」を運営する株式会社ZOZO(本社:千葉県千葉市)は、「ゆっくり配送」という新たなサービスを導入した。このサービスは、通常配送よりも余裕のある配送時期を顧客が選択できるもので、商品注文日の7日後から10日後までに発送する新たな選択肢を提供する。
ゆっくり配送の導入背景には、2024年4月から施行された働き方改革関連法による「物流2024年問題」がある。この問題に対応するため、ZOZOは4月に「ゆっくり配送」の試験導入を実施。その結果、複数の注文を一つにまとめる「注文のおまとめ」が促進され、配送件数の削減や繁閑に応じた発送作業の分散による配送効率化などの効果が確認された。
ポイントは、このサービスの利用傾向だ。利用者別では30代から50代の女性客に、地域別では北海道在住の顧客に多く利用されていることが明らかになった。この結果は、ゆっくり配送が特定の顧客層のニーズに合致していることを示唆している。
期待される効果と今後の展開
ゆっくり配送の本格導入により、ZOZOは配送ドライバーの負担軽減やCO2排出量の低減などの効果を見込んでいる。これは、昨今の労働環境改善や環境保護の観点から、非常に重要と言える。
今後の展開として、ZOZOは発送までのリードタイムを活用したモーダルシフト(輸送手段の変更)も検討している。また、セールなどの配送件数が増加する繁忙期に合わせて、ゆっくり配送を選択した顧客へZOZOポイントを付与するなど、サービスの効果を最大化させるための検証も計画している。
現在、ZOZOTOWNでは注文の約8割が「あんしん置き配」で配送されるなど、2024年問題解決に向けた取り組みが広がっているが、ゆっくり配送サービスを通じて、「ファッションでつなぐ、サステナブルな未来へ。」というサステナビリティステートメントと、「世界中をカッコよく、世界中に笑顔を。」という企業理念の実現を目指している。
注目すべきは、ZOZOがこのサービスを単なる物流効率化の手段としてだけでなく、社会課題解決の一環として位置づけていることだ。ファッションECという事業特性を活かしつつ、持続可能な社会の実現に貢献しようとする姿勢は、他の企業のモデルになるかもしれない。
「ゆっくり配送」サービスの成功は、消費者の理解と協力なくしては成し得ない。ZOZOが掲げる「世界中に笑顔を。」という理念が、このサービスを通じてどのように実現されていくのか、今後も注目だ。
【関連リンク】
・ZOZO/顧客が選択できる「ゆっくり配送」を8月5日から導入(LNEWS)
https://www.lnews.jp/2024/08/q0805307.html
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TEXT:PreBell編集部
PHOTO:iStock
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