待ちに待った!iPadに待望の計算機アプリが登場
2024年秋、iPadユーザーの長年の願いがついに叶う。AppleのiPadOS 18アップデートにより、純正の計算機アプリが初めてiPadに搭載されることが発表された。
驚くべきことに、iPadには発売以来14年間、Apple純正の計算機アプリが存在しなかった。これには興味深い裏話がある。元Apple従業員の証言によると、初代iPadのリリース直前、スティーブ・ジョブズが当時のiOS担当上級副社長を呼び出し、iPadに搭載予定だった計算機アプリのデザインを却下したという。iPhoneの計算機を単に画面サイズに合わせて引き伸ばしただけのデザインに、ジョブズが満足しなかったのだ。
新しいデザインを作る時間がなかったため、iPadは計算機アプリなしで出荷された。その後も優先順位が低いままだったこのアプリが、ようやく日の目を見ることとなった。
高機能な計算機アプリの特徴
14年の歳月を経て登場するiPadの計算機アプリは、単なる基本機能だけでなく、多彩な機能を備えている。
通常の電卓モードと関数電卓モードの切り替えに対応し、単位換算機能や履歴機能も搭載。さらに注目すべきは「計算メモ」機能だ。ユーザーが手書きで入力した数式を認識し、自動で計算を行う。従来の手書き認識アプリとは異なり、iPadの計算メモは手書きのまま計算を実行し、その答えもユーザーの筆跡を模した手書き文字で表示する。
また、方程式を入力すると、ワンタップでグラフを作成する機能も搭載する。変数を使った計算にも対応しており、数学の学習ツールとしても活用できそうだ。
この高機能な計算機アプリは、新たに導入される「スマートスクリプト」技術を利用している。スマートスクリプトは、タイプ入力されたテキストを手書き文字としてペーストすることも可能で、ユーザーの筆跡を学習し再現する。
iPadOS 18には、計算機以外にも注目すべき新機能がある。ホーム画面のカスタマイズ機能が大幅に強化され、アイコンの自由な配置や色調の変更が可能になった。また、コントロールセンターもより柔軟にカスタマイズできるようになり、ユーザーの好みに合わせた使いやすさを追求できる。
一方で、AIを活用した新機能の一部が英語のみの対応となっているのは残念だ。多言語対応の早期実現が、Appleにとっての課題となるだろう。
【関連リンク】
・新OSアップデートでガラリ変わる「iPad」の機能 ジョブズが"ボツ"にした「計算機」がついに搭載(東洋経済)
https://toyokeizai.net/articles/-/823160?display=b
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TEXT:PreBell編集部
PHOTO:iStock
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