非営利団体FLIの生成AI評価報告を発表!最下位はメタ ニュース

非営利団体FLIの生成AI評価報告を発表!最下位はメタ

2024年12月11日、米国の非営利団体「フューチャー・オブ・ライフ・インスティテュート(FLI)」は、生成AIを開発する主要6社の安全対策に関する評価報告書を公表した。この報告書は、生成AIがもたらすリスクへの懸念が高まる中で、企業がその技術を安全に運用するための具体的な対策をどの程度実施しているかを評価したものである。

評価の対象となったのは、オープンAI(ChatGPTの開発元)、メタ(旧フェイスブック)、グーグルのディープマインド、アンソロピック(アマゾンが出資)、xAI(イーロン・マスク率いる企業)、そして中国のジープーAIである。FLIが設定したAからFの評価基準によると、全ての企業が最高評価であるAおよびBに該当せず、最も高い評価を得たアンソロピックでさえCにとどまった。他の5社はDまたはFの評価を受けた。

FLIは、6社が生成AIの誤情報拡散や著作権侵害などを防ぐ対策を十分に実施していないと批判。外部の専門家による独立した検証を受ける必要性を強調した。

FLIのこれまでの活動

FLIは2014年に設立され、生命に関わるリスクを軽減することを目的として活動している。この団体の創設者には、マックス・テグマーク(MIT宇宙学者)やヤーン・タリン(Skype共同設立者)といった多様なバックグラウンドを持つ人物が名を連ねており、イーロン・マスクも顧問として協力している。AIをはじめとする革新的技術がもたらすリスクに対し、助成金の提供や教育活動、政策提言を行うことで社会的影響を最小限に抑える取り組みを続けている。

FLIは過去にも注目すべき活動を行っている。2017年には軍備管理をテーマにした短編映画「スローターボッツ」を公開し、致死性自律兵器の規制を求める書簡を発表。この書簡には、AI分野の著名な研究者や企業経営者が署名した。また、2023年にはAIシステムの安全性を確保するため、開発を一時停止する提案を盛り込んだ公開書簡を主導。この書簡は、AI技術が社会に与える悪影響を懸念する声を広げるきっかけとなった。

FLIの活動の中には批判を受けたものもある。2023年には極右系メディアに助成金を提供したとされるが、助成金提供後にその背景を認識し、直ちに支援を取り消した。この一件からも、同団体が取り組むリスク評価と倫理的判断の重要性が浮き彫りとなった。

FLIは生成AIの発展がもたらす可能性だけでなく、その裏に潜む危険性に目を向けさせる存在として、今後も注目を集めるだろう。

【関連リンク】
・オープンAIやメタなど6社「生成AIを人間の制御下に置く適切な戦略取っていない」…米NPO指摘(読売新聞)
https://www.yomiuri.co.jp/science/20241213-OYT1T50057/

TEXT:PreBell編集部
PHOTO:iStock

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