テスラ、無人タクシーを6月から開始へ
EV市場の停滞が続く中、自動運転技術の開発競争が加速している。テスラのイーロン・マスク氏は、2025年6月から無人タクシーサービスを開始すると発表した。このサービスは、自動運転ソフトウェア「FSD(Full Self-Driving)」の最新版を活用し、最初はテキサス州オースティンで運用を始め、年内にはカリフォルニアへと展開する予定だ。
1月29日に行われたテスラの2024年第4四半期決算報告後、投資家との電話会談の場でマスク氏は、6月から監視員なしの完全無人タクシーを運用すると明かした。この計画自体は2024年11月のロボタクシー発表イベントで示されていたものの、半年後に実現するとは想定以上の速さだ。
通常、無人タクシーの導入にはまず監視員を乗せた状態での試験運用を行うが、テスラは初めから完全無人で営業運転を行う方針を示している。運用は同社が直接管理し、使用車両には既存の「モデル3」や「モデルY」が採用される見込みだ。
FSDの進化と競争の行方
FSDの最新版「13.2」では、駐車場からの自動出庫、市街地や高速道路の走行、目的地での自動駐車までをシームレスに行う機能が搭載されている。実際の走行映像が公開され、従来の運転支援システムを超えた技術が注目を集めている。
一方で、安全性への懸念は拭えない。FSD使用中の事故や誤作動の報告も依然として存在し、特に天候や視界の影響を受けやすいカメラ主体のシステムに課題がある。
無人タクシー市場では、現在アルファベット傘下のウェイモがリードしている。ウェイモは年内に米国内10都市へサービスを拡大する計画を発表しており、テスラの参入によって競争が激化することは間違いない。
GM傘下のクルーズが2023年の事故によって事業を縮小した今、テスラとウェイモの一騎打ちが本格化する。テスラがFSDの性能をどこまで高め、どれほどの速度でサービスを拡大できるかが今後の焦点となる。
【関連リンク】
・テスラ、自動運転タクシーを「2026年から全米」に拡大 初っ端から無人(自動運転ラボ)
https://jidounten-lab.com/u_52364
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TEXT:PreBell編集部
PHOTO:Freepik
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