運転席無人のEVが時速25キロで滑走路を走行
南紀白浜空港では、自動運転技術とAIを使用した点検作業の実証実験が始まった。この実証実験では、自動運転車両が滑走路を走ることが国内で初めて行われた。
目標は、来年度中に特定条件下で完全な自動運転を達成することだ。南紀白浜エアポートは、NECと協力して滑走路の点検業務を省力化するためのシステムを開発した。点検車にはドライブレコーダーが搭載され、AIによる映像解析が行われる。
このシステムは2021年4月から導入され、滑走路の点検に使用されている。今後は、センサーが搭載されたEVを使ってさらなる省力化を目指す予定だ。運転席無人のEVが滑走路を時速25キロで2往復した。
さらに、遠隔操作で対応できるように開発が進められる。この開発はマクニカと共同で行われ、成功すれば"レベル4"相当の自動運転の国際基準となる。自動運転は、ドライバーとシステムのどちらに運転の負担がかかるかによって、0〜5の6段階のレベルに分類される。
現時点ではレベル5の自動運転は実現していないが、レベル4の実用化が進んでいる。南紀白浜エアポートの担当者は、このシステムを地方空港で人手不足に悩む場所に導入し、滑走路の維持管理を可能にしたいと話している。
レベル5の自動運転ではAIが予測を担当
レベル4の一部はすでに実用化されており、2018年12月には米アリゾナ州で有償の自動運転タクシーサービスが開始され、セーフティドライバーを同乗させたものだった。2019年にはセーフティドライバーが乗車しない完全無人化が達成された。
通常、ドライバーは交通状況を見て予測を行いながら運転を行う。たとえば、路上駐車をしている車両がある場合、死角になるため、歩行者が飛び出してくる可能性にも注意を払う。
特にレベル5の自動運転では、AIがこれらの予測を担当することになる。AIは瞬時に正確な判断を行い、人間のドライバーと同等以上の判断能力を持つための開発が進められる。
【関連リンク】
・自動運転のEV車とAIで滑走路点検を無人化 和歌山・南紀白浜空港で実証実験 人手不足に対応、来年度中の実現目指す(ABCニュー
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https://www.asahi.co.jp/webnews/pages/abc_22262.html
TEXT:PreBell編集部
PHOTO:iStock
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