NTTの仮想空間プラットフォーム「DOOR」、3月31日でサービス終了へ
NTT QONOQは、2025年3月31日をもって仮想空間プラットフォーム「DOOR」のサービス提供を終了すると発表した。「DOOR」は2020年11月に公開され、Webブラウザを通じてPCやスマートフォン、VRヘッドセットから簡単にアクセスできる仮想空間サービスとして注目を集めてきた。特に、企業や自治体、教育機関によるイベント開催や情報発信の場として幅広く活用されていた。
しかし、XRやメタバース市場の変化を背景に、NTT QONOQは経営資源の集中を理由にサービス終了を決定。これにより、利用者は今後の対応を迫られることとなる。累計アクセス数1,060万超、ユーザー数286万超という規模を誇った「DOOR」の閉鎖は、メタバース業界における一つの転換点といえる。
終了後も一定期間の猶予が設けられ、3月31日以降も6月30日17:00までは直接リンクを経由することで空間への入室や一部機能の利用が可能となる。しかし、それ以降は完全にアクセスできなくなるため、現ユーザーは移行手段の検討を急ぐ必要がある。
移行支援の動き
「DOOR」終了に伴い、複数の企業が移行支援サービスを開始している。例えば、Webメタバース「Vket Cloud」を運営するHIKKYは、他のメタバースプラットフォームへのスムーズな移行をサポート。一方、株式会社Urthは、自社サービス「metatell」を移行先として提案し、最大75万円分の移行サポートを実施すると発表した。このサービスを利用することで、DOORと同じエンジンをベースにした環境で継続的にメタバース空間を運用できる。
また、他社によるデータ保管および移行支援サービスも提供されており、15万円からの費用で短期間の移行を可能にするプランも登場している。これにより、利用者は現在のデータを保持しつつ、別のプラットフォームへ移動する選択肢を確保できる。
メタバース市場は今後も変化を続けるとみられるが、「DOOR」の終了は、利用者にとって自らの仮想空間運営の方針を見直す契機となる。今後、各社の支援策を活用しながら、新たな環境への適応が求められる。
【関連リンク】
・NTT QONOQのメタバース「DOOR」がサービス終了 Webブラウザから入場でき、企業や自治体、教育機関から利用されたサービス(MoguLive)
https://www.moguravr.com/door-end/
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TEXT:PreBell編集部
PHOTO:Freepik
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