スマホで気になるセキュリティの問題 アンチウイルスソフトは必要?
スマホは毎日の生活において必要不可欠な存在となっています。ネットで検索すればあらゆることが調べられるほか、複数のアプリをインストールしておけばスマホを多機能なデバイスとして利用できます。
スマホはとても便利である反面、ネットを介して利用する以上、セキュリティの問題についても気を配る必要があります。スマホを安全に利用するためにも、セキュリティ対策の基本を理解しておきましょう。
POINT
- スマホのセキュリティをおびやかす「ウイルス」は「マルウェア」の一種
- マルウェアに感染すると、スマホの動作が重くなったり、誤作動を起こしたりすることも
- セキュリティ対策にOS・アプリのアップデートとアンチウイルスソフトの導入を
スマホのセキュリティにおいて脅威となるものとして「ウイルス」や「マルウェア」があります。
スマホのセキュリティ対策を万全にするためにも、広く使われているこれらのワードの意味について理解しておきましょう。
スマホのセキュリティを侵害するものとして、一般的には「ウイルス」というワードが知られています。また、ウイルスに関連して「マルウェア」というワードも聞いたことがあるのではないでしょうか。
「ウイルス」とはマルウェアの一種です。この項目では、ウイルスとマルウェアについてくわしく説明します。
マルウェアとは?
マルウェアについて簡単に説明すると、悪意のあるソフトウェアを総称したものです。
マルウェアが制作される背景としては、パソコンやスマホに含まれている個人情報のデータを盗む目的や、ネットワークに被害を与えてパソコンやスマホを使えない状態にすることなどがあります。
つまり、マルウェアは、マルウェアの制作者とそのグループのみが利益を得るために制作されたものといえます。特に悪質な点は、制作者たちが利益を追求するためにパソコンやスマホの利用者に損害を与えている点です。
ウイルスとは?
ウイルスとは、プログラムやファイルを書き換えたり、ウイルス自身を複製して拡散させたりする機能を持つマルウェアのことです。
正式には「コンピュータウイルス」と呼ばれますが、医療の分野のウイルスとは異なる場面で用いられることが多いため、一般的には単に「ウイルス」と呼ばれます。
次々に拡散していく様子や、拡散した先でパソコンやスマホに害を与える性質は、まさに医療の分野のウイルスに良く似ています。
スマホの場合、ウイルスの感染は不正なアプリのダウンロードが主な原因です。そのほか、スマホに表示された広告をクリックして感染する場合や、Eメール・SNSに表示されているリンクをクリックすることで感染するケースもあります。
ウイルスに感染した際に発生する被害を大きく分けると「スマホの動作が遅くなる」「スマホが勝手に作動する」という2点があげられます。それぞれの原因について説明します。
スマホの動作が遅くなる
スマホの動作が遅くなる理由としては、スマホに侵入したマルウェアが原因でソフトウェアやプログラムが起動していることが考えられます。
通常起動しているソフトウェアやプログラムのほかにマルウェアがプログラムなどを起動させると、スマホの処理能力が追いつかなくなり、結果としてスマホの動作が遅くなってしまいます。
そのほか、スマホの動作が遅くなるとともに、データ使用量が急に増える場合もあります。
この原因としては、スマホの中に含まれるデータを外部に送信していることが考えられます。漏れたデータの中には電話帳データや位置情報データなど重要なデータが含まれている場合があり、個人情報の流出につながることもあり得ます。
スマホのデータが遅くなった場合は、念のためデータ使用量もチェックしてみましょう。
スマホが勝手に作動する
マルウェアが原因でスマホが勝手に作動することもあります。具体的には以下のような状態となります。
・アプリが勝手にインストールされる
・アプリが強制的に終了する
・知らない電話番号に電話が発信される
・カメラやマイクが起動する
・いつの間にかデータが消えてしまう。
このような状態になった場合はアンチウイルスソフトを使用し、早めにウイルススキャンを行いましょう。スキャンすることで不正なウイルスを発見でき、ウイルスを削除できます。
スマホが作動するシステムであるオペレーティングシステム(OS)は、iOSとAndroidの2種類が広く知られています。
iOSとはApple(アップル)が開発したOSで、Appleが開発したスマホであるiPhoneに搭載されています。また、AndroidとはGoogleが開発したOSで、オープンソースソフトウェアであることが特徴です。
通常、スマートフォンのOSは他社に公開しないことが多いのに対し、GoogleはAndroidのソースコードを公開しています。
Androidのアプリは基本的にGoogle Playからダウンロードする形をとっています。しかし、Google Playに載っていないアプリであってもダウンロードすることは可能です。
Google Playに載っていないアプリはGoogleが審査して承認したものではないため、そのようなアプリをむやみにダウンロードしてしまうと、結果として悪意のあるアプリをダウンロードすることにもなりかねません。
そのため、AndroidはiPhoneと比べるとマルウェアに感染しやすいといえるのです。
その点、iOSの場合はアプリ開発をするためにはAppleと契約する必要があり、配布する前にはAppleの審査を受ける必要があります。そのため、Androidと比べると、悪意のあるアプリをダウンロードする可能性は低くなっています。
ただし、iPhoneを利用するうえで気をつけたいのは、まれにiOSの脆弱性を突かれる場合があり、審査済みの問題ないアプリであっても不正なアプリに書き換えてしまうケースがある点です。
アプリは定期的にアップデートされる仕組みとなっており、アップデートによって脆弱性が解消されることがあります。アプリのアップデートは自動的に行われるようにしておきましょう。
スマホがマルウェアに感染してしまうことを防ぐためには、提供元が不明なアプリをダウンロードしないことや、不審なサイトを見ないことが基本となります。
また、スマホのセキュリティ対策をより万全にするためには、上記の対策に加えて「こまめなアップデート」と「アンチウイルスソフトの導入」が必須となります。
スマホで行うアップデートとしては「OSのアップデート」と「アプリのアップデート」があります。
OSのアップデートでは、新たな機能の追加やOSの不具合の修正が行われます。不具合の修正では、OSの脆弱性を改善するプログラムが配信されることがあります。定期的にOSのアップデートを行うことで、マルウェアによるスマホの感染はかなりの確率で防げます。
また、アプリのアップデートを行うことで、アプリの脆弱性が改善されます。アプリを常に最新の状態にしておけばマルウェアに感染する可能性は低くなります。
より一層スマホのセキュリティを万全にするならアンチウイルスソフトを導入しましょう。
アンチウイルスソフトを利用すると、ソフトがネットの稼働状況を常に監視している状態となり、ウイルスの感染や各種情報の漏洩を防ぐことができます。
また、スマホがウイルスに感染していた場合はアンチウイルスソフトが速やかにウイルスを除去します。そのため、アンチウイルスソフトを利用すると、ウイルスが存在していない状態でスマホを利用することができます。
スマホを安全に利用するなら、アンチウイルスソフトの導入をおすすめします。
スマホのセキュリティ対策は、不審なサイトやアプリを利用しないことや、OSやアプリを定期的にアップデートすることでも可能です。
しかし、知らず知らずのうちに不審なサイトやアプリを使用してしまう場合があるほか、マルウェアがスマホのOSの脆弱性を突くことも十分に考えられます。
アンチウイルスソフトはマルウェアを発見するだけでなく、マルウェアを削除する機能を持っています。万が一に備えてスマホにもアンチウイルスソフトを導入しておくと安心です。
PHOTO:写真AC/Unsplash/Pixabay
TEXT:PreBell編集部
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