eスポーツ観戦初心者でも楽しい! 女性タレントが戦う「eQリーグ」は、アツいどんでん返しの連続だった
2020年3月20日(祝・金)に開催された女性タレントによるプロダクション対抗のeスポーツイベント「eQリーグ2020 プレシーズンマッチ」。eスポーツ初体験!のライターによるレポートをお届けします。
POINT
- eQリーグは、芸能プロダクション所属の女性タレントがチームを編成し臨むエンタメeスポーツリーグ
- 各芸能プロダクションのカラーを感じさせる、個性的なチームが勢揃い
- アクションパズルゲーム『キャサリン・フルボディ』と、格闘ゲーム『SAMURAI SPIRITS』で各チームが対戦!
目次
いまや「プロゲーマー」はYouTuberと並ぶ憧れの職業。もはやサッカーのJリーグがない時代を想像することが難しいように、今後は「プロゲーマーがいなかった時代なんて信じられない」と思う世代が出てくることでしょう。
しかし、eスポーツが盛り上がっていることを知りつつも、筆者はこれまでeスポーツを観る機会やきっかけがなく、大会すら観たことがありませんでした。…が、今回PreBellを運営しているSo-netから「協賛している『eQリーグ』を取材してみませんか?」と依頼をいただきました。
調べてみると、この「eQリーグ」(https://www.eq-league.jp/)は、女性タレントのみなさんがプロダクションごとにチームを編成して臨む、エンタメeスポーツリーグで、真剣勝負&女性タレントならではの華やかさが魅力のイベントなんだとか。
そして今回のゲームタイトルは、戦略と度胸が試されるアクションパズル・アドベンチャーゲーム『キャサリン・フルボディ』(アトラス)と、緊張感あふれる格闘ゲーム『SAMURAI SPIRITS(サムライスピリッツ)』と(SNK)のこと。あんまりこのゲームタイトルのことも知らないし、eスポーツも観たことないので、初心者目線でお伝えしていきます。では、さっそく行ってきます!
今大会は、2020年のプレシーズンマッチ。今回から初参加となる2チームを加えた、全8チームが出場します。まずはステージ上に全チームが集まり、開会宣言!
女優、モデル、アイドル、芸人など、各芸能プロダクションのカラーを感じさせる、個性的なチームが勢揃いです。
そしてMCとしてはイジリー岡田さん、アシスタントとして石田晴香さんが出演。女性タレントとのかけ合いに定評があるイジリーさんと、昨年は選手として参加していた石田さんとあり、期待が高まります。
残念ながら今回は諸般の事情により無観客試合となってしまいましたが、会場では参戦チーム同士が交流しつつ、相手のプレイを研究したり、応援そしてボケやツッコミ(?)のやりとりもあったりと…応援席は楽しく盛り上がっていました。当日のイベントロゴにも入っている、PostPetのモモも応援に真剣です。
さあ、競技スタート!まずは『キャサリン・フルボディ』部門です。『キャサリン・フルボディ』は、パズルステージの上でブロックを動かしながら、ゴールに先にたどり着くか、相手を妨害して最後までステージ上で生き残ったほうが勝利という、頭脳戦が楽しめる対戦ゲームです。
さっそく意外に感じたのが、ステージの賑やかさ。
各チームとも、どの選手が『キャサリン・フルボディ」をプレイするか、『SAMURAI SPIRITS」をプレイするかを適性や練習量から判断しているのですが、プレイしない選手も後ろや隣で応援するものなんですね。てっきり1対1の孤独な戦いになるのかと思っていました。
そして応援スタイルもさまざま。アドバイスをするチームもいれば、静かに見守るチーム、一緒に盛り上がるチームまで千差万別です。これは楽しい!
そしてもう一つ現地に行って感じたeスポーツの楽しさが、試合を見る他のチームの反応!
みんな真剣に共通のゲームを練習・プレイしているからこそ、他チームの試合にも本気で盛り上がるんですね。
そして・・・この「キャサリン・フルボディ部門」の優勝チームはDS☆ゲーム部に。
なんと彼女たち、2019年のリーグ戦では、最下位。「これまで一回も勝てたことがないんです…」と自信なさげに話していたのですが、まさかのダークホースが快進撃を見せた結果に、全チームからはどよめきが。
スポーツ漫画のような胸アツドラマチックな展開に、初心者でも興奮を覚えました!
続くは『SAMURAI SPIRITS』部門です。
その名の通り、武器を持ったサムライたちが戦うタイトルです。左右の移動をベースに、技を繰り出して相手を攻撃し、体力が0になったほうが負けとなります。一撃の威力が強い「一撃必殺」なゲーム性が特徴で、小技よりも、普通の技をいかに攻撃していくかが戦術のカギを握る格闘ゲームです。
そんなゲーム性に引っ張られてか、ステージ上でも舌戦が勃発!(笑)
溢れ出るファイトスピリット、そしてここぞとばかりに絡んでくるお笑い芸人!まるでボクシング選手が記者会見時からバトルを展開しているかのようです。そこにMCイジリー岡田さんの巧みな介入も生まれるので、会場は大爆笑。
こうした競技外での盛り上がりも自分にとっては予想外。プレイだけでなく大会を観戦していることの醍醐味かもしれません!
それと今回『SAMURAI SPIRITS』で話題になったのが、ゲームセンターでお馴染みの「アケコン(アーケード・コントローラー。PS4やPCのゲームでも、アーケードゲーム機と同じような感覚でプレイできるが魅力なんだそう!)」。
機材の持ち込みは大会によってレギュレーションが違うそうなのですが、今回は、大会側が用意したコントローラーだけでなく、私物のコントローラーを持ち込んで使うこともできるルールなのだそうです。意外なことだらけ。
とにかく、『SAMURAI SPIRITS』は、一撃の緊張感はもちろんですが、ド派手な演出が大会映えしますね。
そうしてチャンピオンとなったのは、スタダGG!。
アケコンを持ち込み、格闘ゲームが得意だという言葉通り、チームをこの日優勝に導いた若松来海さんの活躍は、今大会のハイライトと言って間違いないでしょう!
すべての試合が終わり、こうして『キャサリン・フルボディ』『SAMURAI SPIRITS』それぞれのチャンピオンが決定しましたが、まだドラマは終わっていませんでした!
So-netがプレシーズンマッチを通して最もイベントを盛り上げた1チームに贈る「So-net賞」が…
なーんと!DS☆ゲーム部に!
前シーズン最下位からの急成長も考えれば、納得の受賞です!
そしてeQリーグ各大会の最も会場を盛り上げた1選手に贈る賞「QUEEN of the Day」は、同じくDS☆ゲーム部の上花楓裏さんへ!
DS☆ゲーム部の躍進を象徴する選手だけあって、これまた納得。まさにスター誕生という印象で、特別な瞬間に立ち会ったような気分になれました。
正真正銘、想像以上の盛り上がりだった「eQリーグ」。
参加選手の皆さんは一体どんな練習を重ね、どんな気持ちで大会に臨んだのでしょうか。ここで大会直前に行ったインタビューをどうぞ!
<SUN COLOR‘S>前回優勝の強豪チーム!
Q:みなさんは2019年のリーグ覇者ですが、どんな気持ちで今大会に臨みますか?
A:私たちはとにかく練習に練習を重ねているチームです。追われる立場としての準備はできているので「いつでも待ってるぞ」という気分です。
Q:「eQリーグ」はみなさんにとってどんなイベントですか?
A:エンターテインメントとゲーム、この二つが融合したイベントだと思っています。去年はゲームにガチすぎてあんまりお喋りできなくて「真面目だね」って言われちゃったので、今年はゲームとトーク両方がんばって去年と違うところを見せたいですね。
Q:自分たちの個性や見どころを教えてください。
A:私たちの持ち味であるガチさを見て欲しいですね。eQリーグにかける思いはどのチームよりも強いと思います。それでいながら、練習してる時はみんなおもしろいキャラクターが出てくるので、そのギャップも見てもらえればと思います。
<BlueWeeds> クールビューティー系女子ゲーマーチーム
Q:昨年はリーグ2位でしたが、振り返ってみていかがですか?
A:悔しかったですね。正直もっと下の順位になるかなと思っていたんですけど、がんばりました。てっぺんが見えただけに、そこまで行きたかったです。思い出すと今も悔しいです。
Q:「eQリーグ」はみなさんにとってどんなイベントですか?
A:かわいい女の子がただゲームをするだけなら、誰でもできると思うんです。でも「eQリーグ」はみんなが真剣にやっているから、緊張感あるイベント担っているのがいいなと思っています。
Q:自分たちの個性や見どころを教えてください。
A:ゲームだけじゃなく、福田のトークが魅力だと思います(笑)今回は新チームも参加しますが、アンテナを張ってかき乱したいですね。そしてクールさと熱血さの両面があるので、お気に入りのクールビューティーを見つけてもらいたいです。
<スタダGG!> キュートさが魅力の実力派
Q:昨年は3位でしたが、振り返ってみていかがですか?
A:昨年は初参加でしたが、勝った試合も多くて、実際に優勝したSUN COLOR‘Sさんにも勝てた試合があったぐらいの成績でした。でも、得点差などで最終的には3位だったので、とても悔しかったです。今回はそういった事で悔しい思いをしないように、ルールもきちんと把握するよう打ち合わせたりして準備しましたし、圧倒的なストレート勝利を目指したいです!
Q:今年のゲームタイトルについてはいかがですか?
A:『SAMURAI SPIRITS』は、こねまる(若松来海)が格ゲーをずっとやっているので、絶対勝てる気しかしないです(笑)。『キャサリン・フルボディ』に関しては、練習時間が足りていないんですけど、作戦を練りながら練習してきたので、本番が楽しみです。
<Shochiku Sisters>女芸人+αのバラエティ豊かな個性派チーム
Q:今回から事務所を移籍してきたメンバーがいらっしゃるとか。
A:そうなんです。大吟嬢の二人は「eQリーグに出ている事務所で活動したい」って入ってきました。
Q:ライバルチームはいますか?
A:teamSMQですね。仲は良いけどライバルでもあると思っています。
Q:自分たちの個性や見どころを教えてください。
A:美貌…ですかね(笑)
<teamSMQ>チームワーク重視の芸人&タレント混合編成
Q:今大会にはどんな意気込みで臨んでいますか?
A:前回が下から2番目だったので、もう登るのみって感じです。プラス思考でやっていきたいです。
Q:ライバルチームはいますか?
A:Shochiku Sistersですね。
Q:自分たちの個性や見どころを教えてください。
A:私たちはサンミュージック内のお笑い芸人やタレント、モデルなど、普段なかなか集まらないメンバーで集まっているんですけど、そのにぎやかさを感じて欲しいです。
<DS☆ゲーム部>前年最下位!底辺から頂点を目指す
Q:昨年は残念ながら最下位でしたが、どんなお気持ちですか?
A:ずっと最下位で結局一回も勝てないまま終わってしまったので悔しいです。今シーズンは新しいメンバーも入ったので、優勝…する気持ちで勝ちたいです。
Q:「eQリーグ」はみなさんにとってどんなイベントですか?
A:みんなで本気で何時間も練習して頑張っているので、それを見ていると私たちも真剣になる。そんな大会だと思います。
Q:自分たちの個性や見どころを教えてください。
A:秋葉原出身ということでガチのゲームオタクが集まっているチームです。得意分野で力を合わせて頑張っていければと思っています。
<URA-KISS GAMES>若さが魅力!伸びしろしかない新規参入組
Q:今年からeQリーグに参加することにした理由は?
A:私たちはYouTubeチャンネルをやっているんですけど、2020年からゲームに力を入れていこうと決めたので今回参加することにしました。
Q:自分たちの個性や見どころを教えてください。
A:ピチピチなチームなので若さを出していければと思います。今回は無観客試合となってしまいましたけど、私たちはYouTubeで活動していて視聴者の方とは心と心でつながっているので、普段の感じで頑張りたいです。
<PPP> ちょいゆる×パリピ感が今までにない魅力の新チーム
Q:今年からeQリーグに参加することにした理由は?
A:去年eQリーグをお客さんとして観に行かせてもらって「出たい!」と思い、事務所内でゲームが得意な子を集めました。ゲームができるメンバーが事務所に多いので、まさかの下克上があるんじゃないかと期待しています。
Q:eQリーグはどんなイベントだと感じていますか?
A:「ガチだな」って感じですね。さっきも控え室で練習しているチームを見てビビってます(笑)でも私たちのプラチナムプロダクションは適当なところが売りでもあるので、“適当に見えるけどやる時はやる”というところを私たちが見せられればと思っています。
Q:今年のゲームタイトルについてはいかがですか?
A:『キャサリン・フルボディ』はパズルゲームなので頭脳戦になりますよね。おバカタレントが多い私たちには辛いですね(笑)
Q:「SAMURAI SPIRITS」優勝おめでとうございます。今の気持ちについて聞かせてください。
A:最高です!これまでの最高は3位で、中途半端な順位だったので、1位が取れたのは本当に嬉しいです。4人で励まし合って頑張りました。「SAMURAI SPIRITS」では慌てたら終わりだと思っていたので、落ち着いて決められるところを決めてきた感じです。
Q:今日初めてeスポーツの大会を観てその盛り上がりに驚きました。みなさんは選手としてeスポーツシーン全体の盛り上がりは感じますか?
A:感じます。eスポーツを題材にしたドラマのエピソードがあったり、テレビやラジオでも色々取り上げられたりしますし、これからさらに盛り上がるんじゃないかと思っています。
Q:今は高校の部活としてもeスポーツ部があるらしいですね。
A:そうなんですよね!「東京ゲームショウ2019」で学生さんたちが自分で作ったゲームを出展していたのを体験したんですけど、本当にレベルが高かったです。それと格闘ゲームの祭典である「EVO Japan」に行ったときも実際にサッカーの試合のような盛り上がりで、まさにスポーツなんだなと思ったので、部活になってもおかしくないと思います。
Q:1作、思い入れのあるゲームを挙げるとしたら?
A:FPSのPCゲーム「OVERWATCH」です。私(伊藤千凪海)は2年半プロチームにもいたのですごく思い入れがあり、今でもFPSにこだわりを持ってプレイしています。
Q:この記事を見てくれている読者へメッセージをお願いします。
A:普段私たちのゲーム実況配信ではダメなプレイも多くて「お前、できてないじゃん」ってコメントで言われることもあるんですけど、今回優勝したことで、成長していることを知ってもらえたらと思います。今後もゲームを楽しくやっている姿を見てもらうことで、ゲームにもっと興味を持ってもらえたらうれしいです。
Q:今の気持ちについてお聞かせください。
A:去年は最下位だったので、優勝だけじゃなくSo-net賞やQUEEN of the Dayまでいただけて、うれしいを通り越して申し訳ない気持ちすらあります(笑)でも、このために練習してきたのでそれが身を結んでよかったです。
Q:昨今eスポーツが盛り上がっていますが、そのことを感じることはありますか?
A:ありますね。そんな中、「eQリーグって女性タレントが遊びでやってるんでしょ」みたいに思われるのが嫌なので、「eQリーグもすごい」と思ってもらえるように日々がんばっています。
Q:今は高校の部活としてもeスポーツ部があるらしいですよ。
A:いいなあ、その頃に高校に入りたかったです。でも、eQリーグも「練習でゲームができるなんて」って思ってすごい嬉しかったです(笑)小学校の時、「女子がゲームするなんて」みたいに言われたこともあったんですけど、負けずに頑張ってきてよかったです。
Q:この記事を見てくれている読者へのメッセージをお願いします。
A:今回は無観客試合でしたけど、お客さんと一緒だともっと盛り上がる大会になると思うので、ぜひ状況が落ち着いたら一緒に会場で盛り上がりましょう。
▼当日の様子を詳しくご覧になりたい方はこちらの動画を御覧ください!
「eスポーツを観る」って、正直ハードルを感じていたんです。
だって、知らないゲームを楽しめるか不安だったし、知らない選手が戦っているのを観て楽しいかな?という心配もありました。
でも、参加してみると全部杞憂。もうシンプルに「eQリーグ、おもしろかった」って感じです。
彼女たちのゲームの腕前は世界トップレベルではないかもしれませんが、問題なし。ゲーム自体が持っているルールや演出の魅力も含め、きちんと競技として成り立っていて、それぞれの試合に見所や手に汗握る展開がありました。
百聞は一見に如かず。まずはYouTubeで今回のeQリーグの映像をご覧いただき、実際に大会に足を運んでみてはいかがでしょうか?
TEXT&PHOTO:PreBell編集部
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