米当局、メタによる子供の個人情報の商業利用を禁止 ニュース

米当局、メタによる子供の個人情報の商業利用を禁止

米連邦取引委員会(FTC)は5月3日、米Meta(旧フェイスブック)による子供の個人データ利用を制限する包括的な規制案を公表した。SNSなどを通じて18歳未満の子供から集めたデータを、広告などに利用して収益化することを禁止する。これに対し、Metaは異議を申し立てる構えだ。

Metaは、2018年に個人情報の不正利用が発覚し、FTCが調査を開始している。この件については、2020年に50億ドル(約6700億円)の制裁金を課せられ、両者は和解している。Metaは利用者の個人情報保護を強化することを約束していたが、新たな調査で違反が見つかったという。

制裁の具体的な理由について、子供を対象とした対話アプリ「メッセンジャー・キッズ」上で保護者が承認していない相手ともやりとりができる状態になっていたことなどを指摘しており、子供のプライバシーを守る法律にも違反したと述べられている。

提案した規制案では、18歳未満の子供の個人情報を商業的に利用することを全面的に禁止する。一方で、サービスの提供や安全確保のために活用することは認める。子供が18歳以上になっても、それまでの個人情報を利用できないとする。

メタはFTCの制裁案に強く反発

FTCはMetaに対し、顔認証技術の使用制限や第三者による監視強化も求めている。

一方、Metaは「政治的な行動だ」として強く反発。FTCのリナ・カーン委員長に対して「米国のビジネスと敵対するために根拠がない手段を使っている」と批判した。同社は同日、異議を申し立てる方針を明らかにしている。

制裁が承認されれば、SNS上で子供たちの興味関心に沿った広告を表示することが難しくなる。広告収入の伸び悩みに直面しているMetaにとって大きな逆風となるだろう。

【関連リンク】

・米FTC “子どもから集めた情報 広告活用禁止” メタに制裁案(NHK)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230504/k10014057221000.html

TEXT:PreBell編集部
PHOTO:iStock

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