EU、メタの広告ビジネスに痛手、30カ国でターゲティング広告禁止
欧州連合(EU)のデータ保護当局「欧州データ保護会議」(EDPB)は、米メタ(旧フェイスブック)に対して、ユーザーのデータを基にしたターゲティング広告の禁止を命じた。
この措置は、EUと欧州経済地域(EEA)の全30カ国に適用される。特にメタのビジネスモデルの核心であるインターネット広告に大きな影響を及ぼす可能性がある。EDPBは、メタの個人データ収集方法に問題があるとみなし、その手法を違法と判断した。
メタは以前から「個人データを利用する」旨を利用規約に記載し、ユーザーから同意を得ていたが、これが問題視されていた。今回の決定は、ユーザーのプライバシー保護とデータ利用の透明性を向上させるものとなるだろう。
メタ、EUの規制に対応し有料プラン開始
米メタプラットフォームズは、欧州連合(EU)の規制に対応するため、フェイスブックとインスタグラムについて、広告を表示せずに利用できる有料プランを提供することを発表した。
このプランはEU、欧州経済地域(EEA)、そしてスイスのユーザー向けで、ウェブ版は月額9.99ユーロ、iOSとAndroid版は月額12.99ユーロになった。
これにより、ユーザーは広告付きの無料プランか広告なしの有料プランを選ぶことができるようになった。ただし、プライバシーやデータ保護はEUで基本権とされていて、この新たなプランに対する法的な妥当性については議論が分かれている。
特に、オーストリアのプライバシー保護活動家であるマックス・シュレムス氏は「基本権を売り物にすることはできない。金持ちだけが権利を享受できるようになってしまう」と反対の意見を述べた。
【関連リンク】
・欧州で米メタのターゲティング広告禁止、EU当局が発表(ロイター)
https://jp.reuters.com/business/technology/VZRBZQCTBVKUXOBJ3VBKDGKMB4-2023-11-02/
TEXT:PreBell編集部
PHOTO:iStock
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