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損保ジャパン、倒壊危険度診断アプリを提供

損害保険ジャパン(東京都新宿区)は5月2日、東京理科大学発ベンチャーのサイエンス構造と協力し、建物の倒壊危険度を診断するアプリの開発に向けた共同研究を開始したと公表した。スマートフォンに搭載された加速度センサーを用いて、地盤と建物の揺れの特性を調べて判断する。

スマホ上でアプリを用いることで、倒壊危険度を即時に判定できるようになる。まず、アプリに物件の情報を入力し、対象物件の地盤とフロアにスマホを置き、常に動いているわずかな揺れ(常時微動)を約10秒測定する。これにより、片側に揺れて再び戻ってくるまでの時間を調べ、地震によって倒壊する危険性を分析する。分析結果はその場で表示されるため、知りたい時にすぐに調べることができるという。

アプリはサイエンス構造が開発した。損保ジャパンが営業網を通じて、保険契約者などに紹介する。

4月からは横浜市やさいたま市と協力し、域内の中小企業の事務所などを対象に測定効果の実証実験を行っている。2023年内にはエリア拡大も予定しているという。将来的には自治体のほか、金融機関や商工会議所などとの連携を目指す。

南海トラフでは100万棟以上の被害も想定

日本では、1868年から2016年までの148年間に、マグニチュード(M)7以上の地震が200回以上観測されている。2013年には耐震改修促進法の改正により耐震化が促されたものの、全国で87%に止まる。

今後、発生すると見られている南海トラフ地震では約107万棟、首都直下地震では約8万棟が倒壊するという被害想定もある。耐震化により被害軽減効果があるものの、耐震診断には高額な費用が必要なこともあり、導入の妨げとなっている。

損保ジャパンとサイエンス構造は手軽な耐震診断を提供することで、地震被害の最小化を目指したい考えだ。

【関連リンク】

・損保ジャパン、建物倒壊診断アプリ 企業に災害対策促す(日本経済新聞)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB122IP0S3A410C2000000/

TEXT:PreBell編集部
PHOTO:iStock

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