JR東、レーダ雨量を活用した運転規制システムを導入
JR東日本は6月6日、局地的大雨に対応するため、レーダ雨量を活用した新たな運転規制を導入すると発表した。対象は在来線全線で、6月18日から使用開始予定だ。
近年、線状降水帯の発生による水害の頻度が増加しており、局地的大雨への対応が急がれている。局地的大雨とは、狭い範囲に数十分の短時間で数十ミリ程度の雨量をもたらす雨を指す。予測が難しく、浸水や土砂崩れを引き起こす危険性がある。
これまで、雨量は駅などに設置した雨量計で観測し、規制基準を超えた場合に運転規制を発令していた。しかし、定められたスポットごとの計測になるため、雨量計の設置していないエリアでの局地的な大雨に対応できない可能性があった。
新たに導入するレーダ雨量規制では、気象庁や国土交通省が配信する1kmメッシュの面的雨量を活用する。これにより、雨量計のないエリアでも降雨量が把握できるようになる。沿線上で1kmメッシュの雨量が規制基準値を超えた場合には、そのメッシュが含まれる区間で運転規制をする。
災害検知装置の設置や防護工事の実施も
JR東日本では大雨による災害を防ぐため、雨の日の運行中止や徐行運転などの運転規制を実施してきた。一時的な雨の強まりや長時間の降雨には速度を落とし、係員が列車内を巡回する。特に災害発生のおそれのある区間では集中的に点検を行っている。
局地的な大雨の際には運転を見合わせることもある。雨が上がってからも土中の水分が多ければ土砂災害が発生する可能性があるため、水分量を考慮して運転再開の判断を行うとしている。雨で緩みやすい沿線斜面には防護工事を実施し、土砂崩壊や落石の恐れがある箇所には災害検知装置を設置するなど、防災対策にも積極的だ。
気象庁によると、大雨の年間発生回数は増加しており、より強度の強い雨ほど増加率が大きいという。鉄道に限らず、あらゆる面で大雨への対応策を検討する必要がある。
【関連リンク】
・JR東日本、局地的大雨での運転規制に新システム(ImpressWatch)
https://www.watch.impress.co.jp/docs/news/1506493.html
TEXT:PreBell編集部
PHOTO:iStock
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