AI絵師の作品販売禁止相次ぐ
米オープンAIが開発した「ChatGPT」などの生成AIが、「絵師」と呼ばれるイラストクリエイターの間で議論を呼んでいる。生成AIは簡単な指示でオリジナル画像を作成することが可能だが、著作権侵害のリスクが懸念されている。技術が発展する一方、対策や規制は後手に回っている現状がある。
ゲオホールディングス傘下のエイシス(東京都千代田区)は5月11日、運営する同人作品販売サイト「DLsite(ディーエルサイト)」上でのAI作品販売を一時的に停止すると発表した。販売が規制されるのはマンガやCGイラスト、動画、素材集のうち、作品の主体を画像生成AIに依存したもの。形式がノベル、ゲームの作品、AIを一部利用した作品については販売を継続する。
AI規制に至った背景として、同社は「AI作品の販売を継続することによる既存のクリエイター様への影響」を挙げている。今後も「技術やコミュニティの状況に応じて」対応の見直しをするとしている。
pixivでもAI作品の取り扱いを規制
生成AIを利用したイラストについては、イラスト投稿サイト「pixiv(ピクシブ)」でも規制された。定額制のファンコミュニティ「pixivFANBOX」でもAI作品の取り扱いを当面禁止する。
同社には画像生成AIの技術を悪用し、特定のクリエイターの利益を著しく阻害する行為について、複数の問い合わせがあったとのこと。生成AIは大量の画像をインプットしてオリジナル画像を生成する特徴があり、その学習素材としてクリエイターの作品が不当に収集されることにも懸念があった。
5月中にはガイドラインを改訂し、特定のクリエイターの画風を模倣した作品を投稿する行為や不当な収集を禁止する。さらに、生成AI技術の悪用を検知する新しいシステムを導入する予定だ。クリエイターの著作権を保護するため、各社の対策が急がれる。
【関連リンク】
・「DLsite」もAI作品の販売一時停止 「pixivFANBOX」に続き(ITmedia)
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2305/12/news091.html
・AIが作ったイラスト、「投稿禁止」の動きも 著作権以外のリスクは(朝日新聞)
https://www.asahi.com/articles/ASR5D5FH0R5CUTIL02V.html
TEXT:PreBell編集部
PHOTO:iStock
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