6月から施行される「クッキー規制」の内容とは。IIJが説明会を開催。
「Cookie(クッキー)規制」とも呼ばれる改正電気通信事業法が6月16日に施行される。
施行に先立ち、クラウドサービスを手がけるインターネットイニシアティブ(IIJ)は5月30日、規制概要について説明会を開いた。
規制の対象となるのは、Webサイトやアプリを通じてオンラインサービスを提供する事業者だ。利用者間のメッセージを媒介するサービス、SNS(交流サイト)などコンテンツを配信するサービス、検索サービス、ニュースなど各種情報のオンライン提供サービスが当てはまる。
こうした事業者が提供するサービス上で、クッキーなどのユーザー情報を外部に送信する場合には、利用者が確認できる仕組みを求める。具体的には、情報の外部送信について容易に知りうる状態に置く「通知・公表」、あらかじめ利用者の同意を取得する「事前同意取得」、利用者の求めに応じて情報の送信・利用を停止する「オプトアウト機会提供」のいずれかの措置を取ることが義務付けられる。
IIJのビジネスリスクコンサルティング本部の石村卓也氏は「多くの企業が比較的負担の少ない『公表』を選択すると考えられる」と指摘。違反しても罰金はなく、業務改善措置命令や違反者の公表に止まる。
改正法により透明性の懸念を払拭する狙い
クッキーとは、Webサイトを訪問した際に付与されるファイルのことを指し、利用者のログインIDや入力データ、訪問回数、利用環境などの情報が含まれている。オンライン上でメッセージを送受信するサービスのほか、オンラインショッピングやニュース配信など、あらゆるサービスでクッキー活用が行われている。クッキーは利用者の閲覧履歴に関連した広告配信などに活用される。
一方で、クッキー利用の透明性や安全性には懸念がある。総務省の調査によると、利用者の約7割は、クッキーを含む情報が第三者に取得されていることを知らないでいるという。改正法はユーザー情報を保護し、透明性を高める目的で制定された。
【関連リンク】
・6月施行の「改正電気通信事業法」、新たな「クッキー規制」とは--IIJが解説(ZDNET)
https://japan.zdnet.com/article/35204555/
TEXT:PreBell編集部
PHOTO:iStock
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