テストや感想文での生成AI利用「不適切」ー文科省指針
文部科学省は7月4日、小学校から高校までの初等中等教育における「Chat(チャット)GPT」などの生成AI(人工知能)の活用に関するガイドラインを策定した。英会話やプログラミングでの利用は「適切」とする一方、レポートの作成やテストでの利用は「不適切」だとする認識を示し、各都道府県の教育委員会などに通知した。
ガイドラインはあくまで暫定的で、一律禁止や義務付けをするものではない。教師などの学校関係者が生成AIを活用する際の判断資料とできるよう取りまとめられた。
政府は生成AIを活用するにあたっては、「限定的な利用」から始めるのが適切だとする。少しずつ成果や課題を検証し、児童生徒や教師のリテラシー向上に繋げることを提案する。
ガイドラインでは、生成AIの活用として適切なものと適切ではないものを例示している。適切な例としては「英会話の相手や日本語学習」「高度なプログラミング」があった。他方、適切でない例としては「コンクール作品やレポート」「詩や俳句の創作」「定期考査や小テスト」を挙げた。
子供の発達に合わせた慎重な利用を
米新興オープンAIが開発した対話型AI「チャットGPT」をはじめとする生成AIは、簡単な指示を入力するだけで、文章や画像、プログラムを作成してくれる。資料の翻訳や議事録の要約など、あらゆる業務での活躍が期待できるが、著作権の侵害や個人情報の流出、情報の信憑性などの問題が指摘されている。
学校現場では子どもの発達段階に合わせた慎重な導入が求められる。チャットGPTなどの生成AIでは13歳未満の利用を制限している。18歳までの未成年が利用するには保護者の同意が必要だ。政府は今後も実証実験を重ね、生成AIの活用方針をブラッシュアップする。
【関連リンク】
・文科省、生成AIの学校向けガイドライン公表 「限定的な利用から」(毎日新聞)
https://mainichi.jp/articles/20230703/k00/00m/040/309000c
TEXT:PreBell編集部
PHOTO:iStock
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