X、ユーザーの投稿や公開データをAI教育に利用
短文投稿サイトのX(旧Twitter)はプライバシーポリシーを改定し、ユーザーが公開しているデータを人工知能(AI)の教育に利用する可能性があることが明らかになった。米ブルームバーグが報じた。プライバシーポリシーは9月29日付で改定される見通しだ。
新しいプライバシーポリシーでは、Xを利用するユーザーの表示名やパスワード、メールアドレス、電話番号、生年月日、職歴、学歴が収集されるようになる。Xでの文章・画像・動画の投稿やリポスト、いいね、ブックマークなども収集の対象だ。
このほか、IPアドレスや所在地など、広範囲の情報が収集されることになる。収集したデータは機械学習やAIトレーニングに使用される可能性があるとしている。具体的な内容についてはまだ情報がない。
Xでは職歴・学歴の収集も行う。その目的はユーザーと雇用主のマッチングだという。Xは5月に人材マッチングのスタートアップ企業「Laskie(ラスキー)」を買収しており、新たなプライバシーポリシーとの関連性が指摘されている。
XのCTO(最高技術責任者)のイーロン・マスク氏はプライバシーポリシーの変更を指摘する報道を認めている。その上で、収集対象はあくまで公開データに限られ、ダイレクトメッセージ(DM)や非公開アカウントでの投稿は含まれないとX上で明言した。
一方、ユーザーからはプライバシーポリシーの変更に対する懸念と反発の声が上がっている。個人情報保護とデータ活用のバランスをどう取るかに注目が集まる。
SNSのAIトレーニング利用は他にも
イーロン・マスク氏は7月に生成AIを開発するため、新たな企業「xAI(エックスエーアイ)」を立ち上げた。当初からX(旧Twitter)との連携を示唆しており、投稿内容を利用する意図があったことは想像に難くない。
こうした交流サイト(SNS)での投稿をAI学習に用いるという手法はすでにFacebookやインスタグラムでも行っている。運営元の米メタはAIシステムがSNSのコンテンツの品質を担保するのに役立つとして、ユーザーに理解を求めている。
【関連リンク】
・X、「ユーザーの公開データをAIトレーニングに使用」ポリシー改定(ASCII)
https://ascii.jp/elem/000/004/153/4153931/
TEXT:PreBell編集部
PHOTO:iStock
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