スタートアップ向け健保、2024年にも発足
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2023.07.19 スタートアップ向け健保、2024年にも発足

国内のスタートアップ企業の従業員を対象にした健康保険組合が2024年度にも発足する。約330社のスタートアップと約30社のベンチャーキャピタル(VC)で構成される一般社団法人VCスタートアップ労働衛生推進協会が6月30日、健保組合「VCスタートアップ健保」の設立準備に入ったと発表した。

新設する健保組合はVCと、その投資先のスタートアップ企業に勤める従業員が対象となる。被保険者数は5000〜6000人程度を想定している。7月初旬に厚生労働省に申請する。24年度にも認可される見通しだ。

スタートアップ企業は柔軟な勤務が可能な一方、従業員の疾病予防や健康増進に関しては制度が整っていないことが多かった。企業に義務付けられている年1回の健康診断やストレスチェックの実施などについても、担当人材が不足しているという問題もあった。

VCスタートアップ健保にはすでにインターネット領域のVC、ANRI(東京都港区)やドローン特化のVC、ドローンファンド(東京都渋谷区)などが加入を表明している。未上場企業を中心に、赤字企業であっても加入できるよう条件を低く設定している。

若手の多いスタートアップ企業には不利な協会けんぽ

これまでスタートアップ企業は、中小企業を中心に構成された全国健康保険協会(協会けんぽ)に加入していた。従業員の多い大企業は独自の健保組合を有しているのに対し、スタートアップなど規模の小さな企業は複数集まって健保組合を構成することが多い。

協会けんぽには、中小企業で働く従業員ら約4000万人が加入している。社員の平均年齢は46歳とスタートアップ企業の34歳と比べて10歳以上も高い。年齢が上がると健康上の問題を抱える人が増え、1人当たりの医療費も高くなる傾向にある。

社員の医療費を賄うため、協会けんぽの保険料率は高く設定されており、比較的若い世代で構成されるスタートアップ企業にとっては負担が大きかった。

【関連リンク】

・「健保とは何か」新興が問う(日本経済新聞)
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO72403750Q3A630C2TB0000/

TEXT:PreBell編集部
PHOTO:iStock

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