政府、安全保障分野でスタートアップと意見交換
政府は安全保障分野におけるスタートアップ企業との連携を一層強化している。防衛装備庁は9月6日、国内のスタートアップ企業ら計4社との意見交換会を実施した。先端技術を防衛力強化に役立てたい考えだ。
会合にはイノフェス(東京都八王子市)、メトロウェザー(京都府宇治市)、テラ・ラボ(愛知県春日井市)と社名非公開1社の計4社が参加した。会合では企業側が事業内容を説明し、政府関係者らの質疑に答えた。
東京理科大学発スタートアップのイノフィスは、腰の負荷を35%軽減するアシストスーツを開発している。介護や輸送に使用できるウェアラブルロボットにも着手しており、自衛隊などの移動を容易にする。
京都大学発ベンチャーのメトロウェザーは赤外線レーザを用いて、風速や向きを測定する技術を持つ。ドローンの飛行を支援する役割が期待される。
中部大学発のテラ・ラボは長距離かつ広域の情報収集が可能な無人航空機を手がけている。災害時の活用を想定しているが、安全保障分野でも活躍が見込まれる。
政府は安全保障分野での活用が見込まれる先端技術を開発しているスタートアップ企業のリストを持っているとされる。リストアップされた企業は200社で、随時追加していくという。今回の意見交換会を皮切りに、リスト上のスタートアップ企業らと順次会合を設ける予定だ。
防衛装備庁の伊藤和己装備政策課長は、安全保障分野に民間企業の技術を取り入れ、「他国に先駆けて優れた機能を結集させることが死活的に重要だ」と述べた。
安全保障の指針でも民間企業との連携を強調
政府は今年6月、安全保障分野の強化に向けた「防衛技術指針2023」を公開した。指針では、国内の技術を安全保障目的で活用する「スピンオン」を課題として挙げる。
課題解決の手法として「スタートアップの参画」を提案。官民が共同して安全保障に取り組む制度や仕組みを整えることを目標に掲げている。今回の意見交換会は同指針の一環として開催された。
【関連リンク】
・防衛装備庁がスタートアップと初会合 民間の先端技術を取り込み防衛力強化へ(FNNプライムオンライン)
https://www.fnn.jp/articles/-/582477
TEXT:PreBell編集部
PHOTO:iStock
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