10兆円規模の大学ファンド、東大・京大・東北大が候補。
世界トップレベルの研究水準を目指す大学に助成を行う「大学ファンド」の対象となる大学が3校に絞られた。研究実績や変革の意思を重視し、東京大学、京都大学、東北大学が候補に残った。
大学ファンドは、政府が資金を拠出し、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)が運用する10兆円規模の基金だ。世界レベルの研究力を目指す「国際卓越研究大学」に認定されると、年間3000億円を上限にファンドの運用益が分配される。最長で25年間助成を受けることが可能だ。
大学ファンドの助成金は若手研究者育成のため、授業料免除や生活費支給に活用できる。対象大学を絞る際には研究論文数や資金計画、若手や女性研究者の起用体制の有無を審査した。
4月までに国立8大学、私立2大学が申請した。国立からは東京大学、京都大学、東北大学、大阪大学、九州大学、名古屋大学、東京科学大学(東京工業大学と東京医科歯科大学の統合大学)が申請。私立からは早稲田大学と東京理科大学が手を挙げた。
専門家で構成された文部科学省の有識者会議で審査を行った。7月以降に順次大学の視察を実施し、秋には認定を目指す。
3大学は研究力や財務戦略に秀でる
対象となった3校は研究規模や財務戦略が評価された。東大は脱炭素やバイオなどの分野に注力。大学が支援するスタートアップ企業を10年後までに10倍に増やすとした。独自に設置する基金のボリュームアップも計画に盛り込んだ。
京大はノーベル賞受賞者を輩出した実績があり、世界レベルの研究力が期待できる。国から受け取る運営費以外の収入を得るための計画を提示した。
東北大は半導体や量子分野での躍進を狙う。民間と共同出資する子会社による事業に乗り出し、資金収入の拡大を図る。
【関連リンク】
・10兆円「大学ファンド」の支援候補、東大・京大・東北大に絞られる…秋には1~2校を認定へ(読売新聞)
https://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/kyoiku/news/20230627-OYT1T50148/
TEXT:PreBell編集部
PHOTO:iStock
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