イーロン・マスク氏、AI開発に向け新会社設立
ニュース

2023.08.02 イーロン・マスク氏、AI開発に向け新会社設立

米資産家のイーロン・マスク氏が7月12日、AI(人工知能)開発に向けた新会社「xAI(エックスエーアイ)」の設立を発表した。マスク氏は以前から米新興のオープンAIが開発した対話型AI「Chat(チャット)GPT」に代わるものを作りたいと示唆していた。「宇宙の本質を理解する」ことを目的としているという。

開発チームには、米Googleの親会社であるアルファベット傘下のディープマインドや米マイクロソフト、マスク氏が経営する米テスラなど企業で、AI開発の経験を重ねた技術者を迎える。マスク氏が対抗意識を持つオープンAIに所属していた研究者を含め、11人が名を連ねる。

新会社はマスク氏自身が率いることとしている。ツイッターを吸収合併した親会社Xとは別会社だが、マスク氏は「X、テスラ、その他の企業と緊密に協力して使命に向かって前進する」としている。

xAIはテスラと協力し、自動運転や半導体の分野での共同開発も視野に入れる方針だ。「人類のためのAI」を作ることを理念として掲げ、共鳴する人材を集めることに力を入れている。

フォックスニュースによると、マスク氏は4月に新たなAIベンチャーの設立計画をほのめかしていた。「私がTruthGPTと呼ぶものを始めるつもりだ」と述べ、「最大限の真実探究AIである」と説明した。同月、英フィナンシャル・タイムズ紙はマスク氏が数千台のGPUプロセッサを確保したと報じた。

開発競争に懸念を示す声も

生成AIの開発競争は激化している。オープンAIに始まり、GoogleやAmazon、旧facebookの米メタなどが開発を強化している。xAIの設立により、AIの開発をめぐる競争の勢力図に新たな有力株が参入することになる。

一方、テクノロジー業界の有識者たちはこうした開発競争を警戒している。イーロン・マスク氏を含む数十人の研究者、教授らは3月、人工知能の開発を少なくとも6ヶ月間停止するよう求めた。

【関連リンク】

・マスク氏 AI開発の新会社「xAI」設立 「ChatGPT」に対抗か(NHK)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230713/k10014128001000.html

TEXT:PreBell編集部
PHOTO:iStock

この記事を気にいったらいいね!しよう

PreBellの最新の話題をお届けします。

ページトップ