エンジャパン、営業力をAIでスコア化
人材サービス大手のエン・ジャパン(東京都新宿区)は7月3日、人工知能(AI)を用いて営業力を可視化するサービスの提供を開始した。あらゆる業界で人手不足が加速する中、AIによる営業力分析を通じた人材育成環境の充実を図り、企業の生産性向上につなげる狙いだ。
サービス名は「エンSXセールスアナリティクス」。過去20年間の商談データをもとに、オンラインでの商談時の営業スキルを可視化する独自のAIを開発した。営業スタッフの課題を提起し、不足しているスキルを補うことで、商談の成功率向上を目指す。
AIが分析するのは営業スタッフの表情の見え方や話し方だ。「目線は泳いでいないか」「声量や話すスピードは適切か」「無駄な間はないか」など14項目から相手に与えた印象を判断する。
加えて、商談内容にも踏み込んで分析をする。次回の商談や受注につながりやすいキーワードを自動判別するほか、自由な回答を求める「拡大質問」と二者択一の「限定質問」の割合をグラフで示す。商談中に出てきた言葉について、使用頻度に合わせて文字の大きさを変えて表した「ワードクラウド」の機能も搭載した。
AI分析により発見した課題を解決するため、プロ講師による個別指導サービスも提供する。2023年度中には25社に導入する見込みだ。
中小企業やベンチャー向けに営業メソッドを体系化
同社は2021年から企業の生産性向上のためのサービスを提供してきた。新型コロナウイルスの感染拡大を背景にオンライン商談が増えたことを受け、分析ツールを開発した。
同サービス責任者の野田勇次郎氏によると、中小企業やベンチャーには「人材育成に時間を割けない」「潜在的な顧客との商談が難しい」との悩みが多い。そこで、エン・ジャパンで実践してきたメソッドを体系化し、サービスとして提供を開始したという。
料金は月額10万円から。プロ講師による個別指導を含めたプランでは月額50万円程度を予定している。
【関連リンク】
・エン・ジャパン、ネット商談可視化 営業人材早期育成(日本経済新聞)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC121PF0S3A610C2000000/
TEXT:PreBell編集部
PHOTO:iStock
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