デジタル人材、26年度末までに330万人確保
政府は専門的なデジタル知識と能力を有する「デジタル推進人材」の育成に力を入れる。3年後の2026年度までに330万人の確保を急ぐ。
デジタル人材育成の目標設定は「デジタル田園都市国家構想」の一つ。政府によると、現時点でのデジタル人材は約100万人。3年後には約230万人のデジタル人材の不足が見込まれている。
デジタル技術の導入には、デジタル・トランスフォーメーション(DX)を推進する「ビジネスアーキテクト」や人工知能(AI)の利活用を手がける「データサイエンティスト」の育成が不可欠だ。政府は3年間で4000億円規模の支援を検討している。
大学や高等学校などのデジタル分野の教育機関の定員を増やし、学生や社会人が専門知識を学べるよう整備する。2年間で約11万人の定員増加を目指し、企業と大学の連携による人材育成も検討する。
デジタル人材の不足を補うには、社会人のリスキリング(学び直し)も重要だ。デジタルスキルの標準指針を設定し、全てのビジネスパーソンがオンラインで教育コンテンツを活用できる体制を整える。転職やキャリアアップを目指す社会人を支援する。
これまでハローワークで申し込める職業訓練は、事務系がほとんどだった。デジタル分野の職業訓練を拡大させ、費用を助成する「教育訓練給付制度」と合わせて2024年度に計7万人の増員を目指す。
都市部だけでなく、地方のデジタル化にも注力する。地方企業との人材マッチングや起業支援、移住支援を手がける。地域課題解決の中心となる地方公共団体にもデジタル人材を派遣するとしている。
デジタル人材の育成カリキュラムに生成AIを追加
経済産業省は8月7日、デジタル人材の育成指針に生成AI(人工知能)に関する項目を盛り込んだ。米新興オープンAIが提供する「Chat(チャット)GPT」をはじめとする生成AIの活用により、効率的な業務遂行が期待できる。
2024年度からは情報処理技術の国家資格「ITパスポート」の試験でも、生成AIに関する問題が出題される。すでにIT関連資格を持っている人にとっても、デジタルスキルのアップデートが不可欠だ。
【関連リンク】
・デジタル人材2年で11万人増へ 政府、公的支援厚く(日本経済新聞)
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO73126330X20C23A7PD0000/
TEXT:PreBell編集部
PHOTO:iStock
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