ニトリ、富士通の量子着想技術「デジタルアニーラ」を配送システムに導入
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2024.02.14 ニトリ、富士通の量子着想技術「デジタルアニーラ」を配送システムに導入

インテリアや生活雑貨小売を中核とするニトリホールディングスは2024年1月23日、全国の配送センターにおいてデジタルアニーラを活用した配送計画システムの運用を開始したと発表した。

デジタルアニーラは、富士通が提唱する、量子現象に着想を得たコンピューティング技術だ。一般的なコンピュータでは解くことが難しい組合せ最適化問題を短時間で解くことができるシステムであり、それを誰もが利用できるサービス群である「Fujitsu Computing as a Service(CaaS)」の構成技術のひとつだ。

富士通は、「デジタル回路の利点(高い設計自由度やノイズ耐性)と量子現象に着想を得た高速性を併せ持つことで、現行の量子アニーリングマシンでは扱えない大規模な問題も解ける」と説明している。

今回の導入によって数ある組み合わせの中からトラックの積載量、ドライバーの作業時間、走行距離などを考慮したルートが高速で導き出されることで、商品配送を担うドライバーの労働時間の短縮とCO2排出量の削減を図る。

全国の配送センターで運用開始、物流業界の課題改善か

本社を北海道札幌市とするニトリホールディングスだが、ニトリから分社化した物流会社のホームロジスティクスが運営する配送センターを全国に80か所有する。

システムの導入の背景には、ニトリグループが発送拠点から最終的に顧客の元に荷物が届くまでのラストワンマイルも含めた徹底的な物流サービスの向上に取り組んでいる中で、配送ルートの作成時間の短縮、属人化の解消、配送効率の向上が課題となっている背景があった。

これまでも日本郵船や中部電力が導入し、組み合わせ最適化問題に対する実績がある富士通のデジタルアニーラ。昨今のネット通販の拡大に伴う物流業界の課題である、ドライバーの労働時間短縮や二酸化炭素排出量の削減などの実現が期待される。

【関連リンク】

・ニトリ、量子着想技術で配送ルートを最適化、全国80カ所の配送センターで運用(IT Leaders)
https://it.impress.co.jp/articles/-/25865

TEXT:PreBell編集部
PHOTO:iStock

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