メタがAI生成コンテンツに「Made with AI」ラベル
4月5日、アメリカのIT大手メタ(旧フェイスブック)は、SNSに投稿された画像、動画、音声について、人工知能(AI)で生成されたものを利用者が識別できるよう、新たな対策を発表した。
フェイスブック、インスタグラム、短文投稿サイト「スレッズ」のコンテンツが対象で、5月から規約を改定して適用する。
現在の規約では、AIを使って著名人が発言したことのない内容を偽造するいわゆる「ディープフェイク」動画などを削除している。改定後は、AI生成コンテンツ全般を警告する形に変更し、「Made with AI」のラベルを付与する。
メタは、投稿者がAIを使用したことを明示している場合や、AIで生成されたと判断された場合にラベルを付けるという。偽情報の拡散を防ぐのが狙いで、特に11月に予定されているアメリカ大統領選挙への影響が懸念されている。
ただし専門家は、あらゆるAI生成コンテンツを正確に特定するのは難しいと指摘している。メタは作成データなどから識別する方針だが、完全な対応は容易ではないと見られている。
共通の問題意識に基づいた取り組み
メタ以外では、オープンAIは自社の対話型AI「チャットGPT」がアメリカ大統領選の選挙運動で使われることを禁止している。
また、IT大手20社(マイクロソフトやグーグルなど)が連携し、AI生成の偽動画や音声が選挙に悪影響を及ぼさないよう対策を講じる協定を結んでいる。
2024年は各国で重要な選挙が控えており、AIによる偽情報の拡散を防ぐことが共通の課題となっているのがわかる。
これらの取り組みは、AI技術の誤用を防ぎ、選挙の公正さを守ることを目的とし、大手企業やテクノロジー企業が、政治的な中立性を保ちつつ、社会的責任を果たそうとしている点で共通している。
【関連リンク】
・AIが生成したコンテンツと操作されたメディアのラベリングに対する当社のアプローチ(Meta)
https://about.fb.com/news/2024/04/metas-approach-to-labeling-ai-generated-content-and-manipulated-media/
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TEXT:PreBell編集部
PHOTO:iStock
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