Xからテレビ向け動画アプリ「X TV App」がデビュー間近
イーロン・マスク氏率いるXは、新たな領域に足を踏み入れようとしている。リンダ・ヤッカリーノCEOが23日、テレビ向けの動画アプリ「X TV App」を間もなく提供開始すると明らかにしたのだ。
このアプリは、ユーザーごとにカスタマイズされた人気動画をフィードする機能を備える。トレンド動画のアルゴリズムと、AIによるトピック別コンテンツの整理によって、個人の嗜好に合わせたパーソナライズドな動画体験を届けるという。
また、モバイルとテレビのクロスデバイスにも対応する。スマートフォンで視聴を開始し、テレビの大画面で続きを楽しめるようになるほか、モバイル端末からテレビへのキャスト機能も用意されている。
「開発途中だがテレビの大画面で高品質な動画コンテンツを提供する」とヤッカリーノCEOは説明する。マスク氏がXをスーパーアプリに進化させる方針を示していただけに、この新アプリは重要な戦略の一環と見られている。
財務改善にも一役、YouTubeと競合か
X TVの導入が、同社の収益確保にも影響を及ぼす可能性がある。2022年後半のマスク就任以降、Xの収益は減少傾向にあり、広告依存体質からの脱却が課題となっている。
スマートTVアプリによる動画配信サービスへの参入は、広告収入の増加につながる可能性がある。ただし、オリジナル動画コンテンツは控え目で、ユーザー生成コンテンツ主体のため、サブスクリプション型動画配信サービスであるNetflix等よりも、YouTubeとの競合になりそうだ。
一方で、テレビアプリ内でAIの活用を推進するXらしい取り組みが注目される。AIによるコンテンツの整理や編集で、ユーザーエクスペリエンスを高める狙いがあるものの、フェイクニュース生成問題など課題も指摘されている。 動画配信の領域に参入することで、Xのプラットフォームとしての評価を高められるかが注目だ。
【関連リンク】
・X、テレビアプリ「X TV App」を近く提供開始へ ヤッカリーノCEOが明かす(Forbes JAPAN)
https://forbesjapan.com/articles/detail/70562
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TEXT:PreBell編集部
PHOTO:iStock
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