日本のAI、ELYZA(イライザ)がGPT-4を上回る
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2024.07.03 日本のAI、ELYZA(イライザ)がGPT-4を上回る

東京大学松尾研究室発のAIカンパニー、株式会社ELYZAが700億パラメータを持つ日本語特化型の大規模言語モデル(LLM)「ELYZA-japanese-Llama-2-70b」を発表し、大きな注目を集めている。

このモデルは、Meta社のオープンソース基盤モデル「Llama 2 70B」をベースに開発された。国内外のモデルと比較しても高い性能を示しており、特に日本語の処理において最高水準の性能を実現している。

ベンチマークテストの結果、「ELYZA Tasks 100」で4.07点(5点満点)、「Japanese MT Bench」で9.075点(10点満点)を記録し、GPT-4の成績を上回った。

同時に、ELYZAは軽量版(80億パラメータモデル)「Llama-3-ELYZA-JP-8B」も発表。性能は「GPT-3.5 Turbo」に匹敵しながら、一般的なPCでも動作可能な軽さを実現している。

KDDIグループとの提携で日本語LLM開発を加速

ELYZAの躍進はKDDIグループとの資本業務提携によるところが大きい。計算基盤への大胆な投資や効率的な開発が可能になり、開発を加速させている。また、ELYZAはKDDIと協力し、コールセンター向けのLLM開発も進めている。KDDI傘下のアルティウスリンクはコールセンター代行の大手で、その業界知見を活用することで、実用に即したLLMの開発と市場展開を目指している。

一方、LLMの利用における課題も注目されている。NICTとKDDIは、ハルシネーション抑制技術の高度化や、地図画像などのマルチモーダルデータをLLMで取り扱う技術の開発を目指している。これらの技術により、LLMの信頼性向上や通信事業者の顧客応対への適用が期待されている。

日本のAI開発は新たな段階に入り、大手通信事業者や研究機関が連携して日本語に特化したAI技術の開発と実用化が急速に進んでいる。今後、さまざまな産業への応用が期待され、日本のデジタルトランスフォーメーションを加速させることだろう。

【関連リンク】

・イライザが「日本語でGPT-4」超えのAIモデルを開発。KDDIとの提携で投資を加速(TECH INSIDER)
https://www.businessinsider.jp/post-289550

TEXT:PreBell編集部
PHOTO:iStock

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