DeepL、言語翻訳と文章校正に特化した次世代言語モデルを発表
ドイツ企業DeepLは、2024年7月17日、新サービスの発表を行った。同社が発表した次世代言語モデルは、大規模言語モデル(LLM)技術を活用した言語翻訳と文章校正に特化したものだ。
このモデルは、言語特化型LLMに特殊な調整を施し、7年分以上の独自データ、そして数千人の言語専門家によるモデルチュートリアルを組み合わせたもの。DeepL Proプランの契約者は、この次世代言語モデルを選択できる。
偽情報や誤情報のリスクを軽減しながら、より人間的で文脈を考慮した翻訳と文章作成が可能となる。DeepLによるブラインドテストでは、プロの翻訳者による評価で、Google翻訳やChatGPT-4、Microsoft翻訳などを上回る好成績を収めた。特に、英語と日本語、中国語簡体字の組み合わせでは、従来モデルに比べ1.7倍の改善が見られ、その効果は顕著だ。
ビジネスで必須の安定性と顧客重視の展開
DeepLの創業者兼CEO、ヤロスワフ・クテロフスキー氏は、機械翻訳における「一貫性」の重要性を強調する。同じ英文を入力すれば、いつでも同じ日本語訳が得られるDeepLの翻訳は、ビジネスシーンでの利用に適していると言える。他社のLLMによる翻訳とは一線を画すこの特徴について、クテロフスキー氏は「AIに期待するのは、大きな間違いをせず、安定した回答をすること」と述べている。
DeepLは既に世界10万以上の企業や政府、組織で採用されており、フォーチュン・グローバル500の50%を含む幅広い顧客基盤を誇る。日本では、大手企業の本社と海外支社間のコミュニケーションをサポートするケースが多いという。
今後のDeepLの方向性として、顧客の具体的なユースケースを把握し、それに特化したサービスの展開に注力する予定。2023年に設立された日本法人の役割もそこにあり、日本企業のニーズをDeepLの解決策に活かすことを目指す。さらに将来的には、音声機能との融合も視野に入れ、ビデオ通話などでのリアルタイム翻訳サービスの研究・開発にも力を入れるという。
【関連リンク】
・DeepLが翻訳でChatGPT-4、Google、Microsoftを上回る次世代LLMモデルを実装(DeepL)
https://www.deepl.com/ja/blog/next-gen-language-model
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TEXT:PreBell編集部
PHOTO:iStock
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