アップル、iPhoneの衛星通信強化へ2200億円超を投資
アップルは衛星通信サービス「Globalstar」に最大15億ドル(約2280億円)の投資を行うことを発表した。この大規模投資は、iPhone向け衛星通信機能の強化を目的としており、11億ドル(約1670億円)の現金出資と、4億ドル(約610億円)のGlobalstar株式20%の取得で構成される。
この動きに先立ち、Globalstarは2024年8月、スマートフォンと直接通信可能な改良型衛星最大17機の配備計画について、米連邦通信委員会(FCC)から許可を取得している。衛星製造はカナダのMDAが担当し、製造費用は1機あたり1140万ドル(約17億円)。打ち上げはSpaceXが請け負い、2025年末までに最大8機の配備を目指している。
サービス拡充と今後の展開
今回の提携強化により、Globalstarはネットワーク容量の85%をアップルに割り当てることになった。iPhone 14シリーズ以降に搭載されている衛星通信機能は、携帯電話ネットワークの圏外エリアでも緊急SOSの利用を可能にし、日本でも2024年7月30日からサービスが開始された。
さらにiOS 18では、圏外エリアでも友人や家族へのテキストメッセージ送信が可能になるなど、機能の拡充が進んでいる。アップルは当初2年間としていた無料提供期間を2025年まで延長することを発表。ただし、将来的には緊急SOS機能は無料のまま継続し、テキストメッセージ送信や位置情報共有機能は有料化される可能性があるとされている。
この投資発表を受け、Globalstarの株価は30%以上急騰。アップルの大規模投資は、テクノロジー企業と衛星通信企業の新たな協業モデルとして注目を集めている。特に山岳地帯や海上といった通常の通信インフラが届きにくい場所での緊急時対応の強化が期待される一方、衛星通信の安定性やコストが今後の課題として指摘されている。
【関連リンク】
・アップル、15億ドルの巨額投資で衛星通信強化へ iPhoneがリモートエリアでの接続性を飛躍的に拡張(Gadget Hack)
https://tech-gadget.reinforz.co.jp/7424
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TEXT:PreBell編集部
PHOTO:iStock
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