ビットコイン、100万円幅の急落
暗号資産市場が大きく揺れている。ビットコイン(BTC)はここ24時間で一時100万円幅以上の下落を記録し、ドル建て価格で心理的な節目とされる10万ドルを割り込んだ。執筆時点では、9万7千ドル前後で推移している。
この動きの背後には、米国債の長期金利上昇が影響していると見られる。特に10年物国債の利回りが一時4.69%に達し、2023年5月以来の高水準を記録したことが投資家のリスク回避を強めた。株式市場からリスク資産全般への売り圧力が広がり、暗号資産市場もその波を被った形だ。
加えて、現物市場での成行売りが市場を一段と悪化させた。オーダーブックの分析では、上下いずれの価格帯にも買い支えとなる注文が薄く、流動性の低下が指摘されている。このような市場環境では、価格の急変動が生じやすく、さらなるボラティリティの増加が懸念される。
こうした背景の中、米連邦公開市場委員会(FOMC)の12月議事録公表が注目を集めている。昨年末のFOMCでは、2025年の利下げ回数が当初の4回から2回に引き下げられ、高金利政策の継続が改めて明言された。この動きはインフレ懸念の根強さを反映していると見られ、暗号資産市場にも影響を与える可能性が高い。
市場の懸念と今後の動き
今回の急落では、ドージコイン(DOGE)をはじめとする主要アルトコインも大幅に値を下げた。DOGEは10%の下落、ソラナ(SOL)やイーサリアム(ETH)も7%以上の下落幅を記録している。暗号資産先物取引では約5億6千万ドル相当のロングポジションが清算され、この清算がさらなる価格下落を引き起こす要因となった。市場全体のセンチメントが弱まり、リスク回避の動きが広がったことが影響している。
また、米国株式市場との連動性が強まっている点も注目される。JOLT求人件数やISM非製造業指数が予想を上回る結果を示し、米国債利回りの上昇がさらに加速。この動きが暗号資産市場にも波及したと考えられる。一方で、市場参加者の中には今回の下落を一時的なものと捉え、回復を期待する声もある。
QCPキャピタルは、1月は市場が不安定な時期になる可能性が高いとの見解を示している。特に米国の債務上限問題や政府支出に関連する議論が市場に変動をもたらす恐れがあるため、注意が必要だ。暗号資産市場は引き続き外部要因に敏感な状況が続き、短期的な乱高下が予想される。価格の底を見極めるには、慎重な分析と市場の流動性改善が求められる。
【関連リンク】
・ビットコイン急落、再び9万ドル台に|チェコで準備金の議論も(CRYPTO TIMES)
https://crypto-times.jp/news-btc-1-8/
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TEXT:PreBell編集部
PHOTO:iStock
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