エヌビディアCEO、量子コンピューター実用化に20年を予測 ニュース

エヌビディアCEO、量子コンピューター実用化に20年を予測

量子コンピューターの開発が加速する中、その実用化に関する現実的な見解が注目されている。米国の半導体大手エヌビディアのジェンスン・フアンCEOは、「非常に有用な量子コンピューターの実現には20年程度を要する」との見解を示した。この発言により、量子コンピューター関連株は急落した。例えば、D-Wave QuantumやRigetti Computingの株価は30〜40%下落した。

現在、量子コンピューターには「量子ゲート方式」と「量子アニーリング方式」の2つの技術が存在している。量子ゲート方式は幅広い用途に適用可能だが、高精度なエラー訂正技術の確立が課題である。一方、量子アニーリング方式は特定の最適化問題に特化し、既に一部で実用化されている。技術的特性の違いにより、両方式の開発スピードには差が生じている。

量子コンピューターの応用分野は多岐にわたる。新素材の開発、金融市場のシミュレーション、医薬品の分子設計などで、計算効率の向上が期待されている。しかし、キュービットの安定性向上や運用コストの低減といった課題が依然として残されている。

日本の挑戦、光量子コンピューターが切り拓く可能性

日本では、理化学研究所が中心となり、光量子コンピューターという新たなアプローチが進められている。この方式は、超伝導方式と比較して高い動作周波数を持ち、室温で動作可能である点が特徴である。また、光通信技術との親和性が高く、量子コンピューターネットワークの構築にも適している。

現在、この光量子コンピューターはクラウドサービスとして提供されており、研究者や企業が試験的に利用できる状況にある。特に、医療や金融、人工知能分野における応用が期待されている。一方で、大規模な計算や高速化、エラー訂正技術の向上といった課題が依然として重要である。

各国が量子コンピューターの開発競争を繰り広げる中、日本の光量子コンピューターは独自の道を進んでいる。この技術は、特定のニーズに応じた成果をもたらす可能性が高い。エヌビディアCEOの発言が示すように、長期的な視点で基礎技術の進展に取り組むことが、最終的な成功に繋がる。

【関連リンク】
・量子コンピューティング株急落、「実用化は20年先」とエヌビディアCEO(ロイター)
https://jp.reuters.com/markets/japan/funds/MY7O62NUWFPC7POIOSD5YJNLEQ-2025-01-08/

TEXT:PreBell編集部
PHOTO:iStock

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