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2021.06.25 最新の規格「Wi-Fi 6」対応ルーター選びのポイント、おすすめ機器は?

Wi-Fiの最新規格である「Wi-Fi6」は、これまでのWi-Fi規格である「Wi-Fi 5」と比べると機能が向上しています。

インターネットを利用するなら通信速度を重視したいところですが、それを実現するならWi-Fi 6がおすすめです。

この記事では、Wi-Fi 6に関する基本的な知識、ルーターを選ぶ際のポイント、おすすめのルーターについて紹介します。

POINT

  • Wi-Fi 6の特徴は通信速度が速いこと、複数の端末に接続しても速度は安定
  • 最新のネットワークセキュリティ「WPA3」に対応したルーターもあり安心して使用できる
  • お値打ちな製品もあるので、お財布にもやさしい

Wi-Fi 6とは?

Wi-Fi 6とは最新のWi-Fi規格です。

Wi-Fi 6の「6」とはWi-Fiの第6世代であることを意味しています。Wi-Fi 6という規格が発表されたのは2019年のことですが、米国電気電子学会(IEEE)によって策定されたのは2021年2月のことです。

Wi-Fi 6の1つ前の規格は「Wi-Fi 5」となります。Wi-Fi 6はWi-Fi 5に対する下位互換性があり、Wi-Fi 6に対応していないスマートフォンやタブレットであっても、Wi-Fi 6のルーターと接続できます。

また、Wi-Fi6に対応しているスマートフォンやタブレットは、Wi-Fi 5のルーターでも利用が可能です。

以下の項目で、Wi-Fi 6の特徴についてみていきます。

最大通信速度

Wi-Fi 6の最大通信速度は理論値で9.6Gbpsとなっています。Wi-Fi 5の最大通信速度は理論値で6.9Gbpsとなっているため、それと比べると、Wi-Fi 6の最大通信速度は1.4倍に向上しました。

現在では、高解像度の動画を視聴する機会が増えているほか、オンラインゲームの画質が高くなっているため、高速のインターネット環境が求められています。

データの通信速度が十分でない場合、動画やオンラインゲームの画像が停止する原因ともなってしまいますが、Wi-Fi 6に対応したルーターを使ってインターネットを利用すれば、データ量の大きい高解像度の動画でも、安定的にスピーディーな配信が可能になります。

周波数帯

Wi-Fi 6の周波数帯は、2.4GHz帯と5GHz帯の2種類に対応しています。

2.4GHzの特徴は、周波数が低いために電波が遠くまで届きやすいことです。また壁などの障害物にも強いため、離れた部屋や階上・階下など、屋内のどこに設置しても電波が届きやすいというメリットがあります。

なお、2.4GHz帯は電子レンジにも使用されています。電子レンジは、食品を温めるために電磁波が使用されていますが、電磁波が強力であるため、Wi-Fiの通信中に電子レンジを使用すると、お互いの電波が干渉し合い、電波が弱まってしまう点がデメリットです。

一方5GHz帯の電波はWi-Fi専用であるため、家電品と電波が干渉し合う心配がありません。さらに通信が安定的であり、2.4GHz帯と比べて速度が早い点がメリットです。。ただし5GHz帯は2.4GHz帯の電波と比べると障害物に弱く、範囲が広くなると電波も弱くなってしまいます。また全てのWi-Fi機器がこの5GHz帯に対応しているわけではないため注意が必要です。

Wi-Fi 6は、2.4GHzと5GHzの両方の周波数帯が利用できるため、通信環境や使用したい機器の規格などの状況に応じて使用します。まずは5GHz帯で使用してみて、不安定なら2.4GHz帯に切り替えてみるという方法がよいでしょう。

複数の機器に同時接続

Wi-Fi 6を利用すると、複数の機器に同時接続することができます。それを可能としたのは「OFDMA」という技術です。

「OFDMA」とは「直交周波数分割多元接続」のことです。Wi-Fi 5は「OFDM(直行周波数分割多重)」という技術を使用していますが、この技術は1回の通信で1つの機器に通信する仕組みとなっています。

そのため、Wi-Fi 5では、パソコンやスマートフォン、ゲーム機など、複数の機器にWi-Fi接続をしていると通信速度が遅くなってしまう点がネックとなっていました。

その点、Wi-Fi 6は複数の機器に同時接続ができるため、通信速度の速い状態が維持されます。Wi-Fi 6のルーターは、数十台の機器と同時接続が可能なものもあるため、インターネットを快適に利用できます。

省エネ

 そのほか、Wi-Fi 6は省エネの面から見ても優れています。省エネが実現したのは「TMT」という技術によるものです。

TMTとは「Target Wake Time」の頭文字をとったもので、通信を行わない端末はスリープ状態となり、通信を行う端末のみが起動する仕組みとなっています。

スマートフォンなどの端末がTMTに対応していれば、端末のバッテリーの消費量を抑えられ、バッテリーが長持ちします。

Wi-Fi6のルーターを選ぶポイント

Wi-Fi 6のルーターを選ぶポイントとしては「接続台数」「電波の届く範囲」「セキュリティ」があります。

それぞれのポイントについて、以下でくわしく説明します。

接続台数

Wi-Fi 6のルーターを選ぶ場合は、接続台数についてチェックしておきましょう。

Wi-Fi 6に対応しているルーターの中には、数十台の機器に接続できるものもあります。今後は、インターネットに接続できるスマート家電の利用が広がると見込まれるため、それを見越して数多くの端末に接続できるルーターがおすすめです。

電波の届くエリア

また、電波の届くエリアも重要なポイントです。

電波の届くエリアはルーターによって異なり、3LDKの範囲をカバーするものや4LDKの範囲をカバーするタイプ、あるいは戸建住宅で3階までの範囲をカバーするものまでさまざまとなっています。

ルーターの種類によっては、アンテナの角度を変えることができ、電波が届くエリアを微調整できるものもあるので、住まいの状況に応じてルーターを選びましょう。

セキュリティ

Wi-Fi 6のルーターを使用するうえで見逃せない点はセキュリティに関することです。特にリモートワークのために自宅で仕事を行う場合は必須といえます。

最新のネットワークセキュリティである「WPA3」に対応しているルーターもあるので、安全性の高いルーターを選ぶことも検討してみましょう。

Wi-Fi 6対応のおすすめルーター5選

Wi-Fi 6に対応したルーターの選び方を理解しても、ルーターの種類が多いために、どのルーターを選べば良いのかわかりにくいと考えているユーザーもいるのではないでしょうか。

ルーターを簡単に選べるようにするため、この項目では、Wi-Fi 6に対応したおすすめのルーターを5つ紹介します。

TP-Link 「Archer AX10 AX1500」

通信速度は5GHz帯で最大1201Mbps、2.4GHz帯は300Mbpsです。

4本の高性能アンテナが搭載されていることにより、3LDKの住宅であれば家の中を十分にカバーできます。接続できる端末の数は数十台以上であるため、多くの端末と接続しながら高解像度の動画や高画質のオンラインゲームをプレイしていても、Wi-Fiの速度は安定的となります。

Wi-Fiの暗号化はWPA、WPA2、WPA3、WPA2-Enterpriseに対応しているので、セキュリティの面からみても安心です。参考価格は約6,600円(税込)です。

NEC 「Aterm WX3000HP」

通信速度は5GHz帯で最大2402Mbps、実際の通信速度は無線LANで約1.5Gbpsであるため、高速でのインターネット利用に対応しています。2.4GHz帯の速度は最大で574Mbpsです。

Wi-Fiに接続できる端末の目安は36台、利用人数の目安は12人であるため、家庭内でも十分にインターネットを利用できます。

NECの独自技術「ハイパワーシステム」の採用により、電波が届く範囲を十分に確保しています。戸建は3階建ての範囲、マンションは4LDKの範囲が電波の届く目安となります。参考価格は約11,700円(税込)です。

バッファロー 「WSR-3200AX4S-WH」

通信速度は5GHz帯で最大2401Mbps、2.4GHz帯で最大800Mbpsです。数十台の端末に接続することができます。

アンテナはWi-Fiルーターの内部に内蔵されており、5GHz、2.4GHzともに4本のハイパワーアンテナが搭載されています。内蔵アンテナの配置を最適化したために電波が飛びやすく、電波は、戸建は3階まで、マンションは4LDKまでの範囲をカバーします。

セキュリティはWEP、WPA2-Personalのほか、より強固なセキュリティであるWPA3にも対応しており、セキュリティの面においても充実しています。

参考価格は約11,500円(税込)です。

アイ・オー・データ機器 「WN-DEAX1800GR」

通信速度は5GHz帯で最大1201Mbps、2.4GHz帯で最大574Mbpsです。

2本搭載されているアンテナは可動式となっています。アンテナを立てたり、倒したり、あるいは斜めに傾けたりして、電波を飛ばす方向を決められます。

アンテナを立てた状態のときは電波が水平に飛ぶため、ワンフロアの構造となっているマンションでの利用に適しています。また、アンテナを水平にすると電波が真上、あるいは真下に飛ぶため、戸建住宅において上の階や下の階に電波を飛ばせます。

参考価格は約7,200円(税込)です。

ASUS 「RT-AX3000」

通信速度は5GHz帯で最大2402Mbps、2.4GHz帯で最大574Mbpsです。

RT-AX3000はメッシュWi-Fiシステムに対応しており、ASUSのWi-Fルーターを複数使用することによって、自宅内のWi-Fi環境を安定的なものとします。壁面や家具などがあり、通常は電波が届きにくい場所であっても、快適にインターネットを利用できます。

また、RT- AX3000は最新のネットワークセキュリティである「WPA3」にも対応しており、Wi-Fiの通信は暗号化されます。

参考価格は約14,000円(税込)です。

まとめ

まとめ

Wi-Fi 6に対応したルーターを使用するメリットは、従来のWi-Fiルーターと比べると高速でインターネットが利用できること、多くの端末に接続しても速度の低下がみられないこと、そして、省エネに対応している点です。

家庭内で利用するインターネット端末はパソコンやスマートフォン、タブレット、ゲーム機などさまざまなものがありますが、今後は、インターネットの機能を搭載した家電品の普及も予想されます。

それを踏まえると、多くの端末に接続できるWi-Fi 6のルーターは必要不可欠といえます。

インターネットを快適に利用するなら、Wi-Fi 6ルーターの導入を検討してみましょう。

PHOTO:PhotoAC/Unsplash/Pixabay/Pexels
TEXT:PreBell編集部

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