2023.02.26 Wi-Fi中継機で「無線LANの電波が途切れる問題」をさくっと解決!
家の中なのに、Wi-Fi(無線LAN)が「なかなかつながらない」「よく途切れてしまう」という症状にお困りな方へ。 モデムや親機である無線ルーターに問題がないのであれば、もしかしたら子機(パソコンやスマートフォンなど)まできちんと電波が届いていないのかもしれません。
そもそも、有線LANより自由で快適に使えるはずの無線LANなのに、電波が届かないのでは快適に使えず困りますよね……。実はこんな時こそ助けになるのが「無線LAN中継器」なんです。「いきなり中継器って言われても……そもそも中継器って何ですか!」という方も安心してください、今回は、中継器を生産している老舗PC周辺機器メーカー・エレコム株式会社の狩谷さんが中継機についてわかりやすく解説。また、「Wi-Fiが途切れてしまう原因」や「中継器を選ぶメリット」、「おすすめの中継器」などについても解説します。
目次
この記事の本題に入る前にまずは、Wi-Fiが「なかなかつながらない」「よく途切れてしまう」という症状の原因を見つけていきましょう。
狩谷さんによると、こういった原因は主に「住んでいる家の環境」が原因になりえるそうです。
「お住まいが鉄筋コンクリート造であれば、電波は通りづらいです。また、部屋同士の仕切りが多い、あるいは2階、3階がある広い家の場合、一部の部屋や廊下で電波を受信しづらい場合があります」
そして上記のような環境でWi-Fiを受信しづい場合、3つの対処法があるそうです。それがこちら。
・Wi-Fiに干渉する機器から無線LANルーターを遠ざける
・2.4GHzから5GHzへと無線の帯域を切り替える
・中継器を使用する
「Wi-Fiへの干渉が原因の場合、無線LANルーターの設置場所を干渉の元*1となっている機器から遠ざける、あるいは使用を控えることをおすすめします。
また、家が鉄筋コンクリート造、あるいは2階建て、3階建てなど、住まいが広くWi-Fiの電波が届きづらい場合は使用するWi-Fiの帯域*2を5GHz から2.4GHzに切り替えることで問題が解消される場合もあります。」
上記2つの方法を実践できない・実践してもあまり効果がなかったという方には、中継器の導入がおすすめだそう。
*1 Wi-Fiが使用している電波帯域は2.4GHz、5GHzの2種類。電子レンジやBluetooth機器が使用している電波帯も同じく2.4GHzのため、Wi-Fiの電波へ干渉することがある
*2 2.4GHzは障害物に強く、遠くに飛ばすのが得意。5GHzはルーター以外で使用さることが少ない帯域なので、ネットに繋がりやすく安定している
【エレコム株式会社さんからのお知らせ】
無線LANの暗号化規格であるWPA2において脆弱性が発見されました。これは、暗号化された通信であっても、脆弱性を攻撃することによって通信の傍受や改ざんなどが行われる可能性があるもので、WPA2を使用して接続されるほぼすべての無線LAN機器が対象となります。詳細は下記リンクのご確認をお願いいたします。
対処法を確認・実践した上で、「中継機」の利用を検討しようという方はここで簡単に中継機の仕組みを確認しておきましょう。
中継器とは、その名の通り親機から発信された電波を中継し、Wi-Fiの電波の利用範囲を拡大する周辺機器のこと。
例えば、家の1階に無線ルーターがあって、2階、3階には電波が届きづらかったとします。そこで中継器を2階に設置すれば、1階の電波が中継されて2階、3階でも1階にいるときと同じように快適にWi-Fiが使えるようになるわけです。中継器があれば、家中どこでもサクサクネットが繋がりますよ!
もちろん無線LANルーターを現状よりもスペックの高いものに買い換えることでも、電波が届きづらい状況は改善できます。
ですが、中継器は新しいルーターを導入するよりも導入コストが安い、設置が簡単というメリットがあります。そこで実際にどんな中継器を選ぶべきでしょうか。
「中継器を選ぶなら、まずは親機のルーターの無線LAN規格に対応しているかどうかを調べてください。例えば、11axの規格のルーターであれば、11axに対応している中継器を選びましょう。せっかく最新の規格に対応した中継器を選んだのに、親機が旧世代の規格であれば、最大限効果を発揮できません。その逆もまたしかりです。」
- Wi-Fiには、11a、11n、11acなど、さまざまな規格があります。2023年2月現在の最新規格は11axというタイプ。それぞれの特徴などは下記の表をご覧ください。
規格名 | 最大通信 速度 |
使用 周波数帯 |
特長 |
IEEE802.11ax (別称:Wi-Fi6) |
9.6Gbps | 2.4GHz帯/5GHz帯 | 第6世代のWi-Fi「Wi-Fi 6」と呼ばれる新規格。より高速な通信を実現し、省エネルギー性能に優れている。 |
IEEE802.11ac (別称:Wi-Fi5) |
6.9Gbps | 5GHz帯 | 11aを改良し、帯域を11nよりも更に拡大。データ圧縮率を高めることで伝送速度を大きく高めた新規格。11a同様に電波干渉を受けにくいが、伝送距離が短く、障害物に弱い。 |
IEEE802.11n (別称:Wi-Fi4) |
600Mbps | 2.4/5GHz帯 | 11g/a/bに互換性。「2.4/5GHz」双方の帯域に対応。速度も向上。 |
IEEE802.11g | 54Mbps | 2.4GHz帯 | 伝送距離が長く、障害物に強い。一方、2.4GHz帯は他にも使用している電子機器が多く、電波干渉が起きやすい。 |
IEEE802.11a | 54Mbps | 5GHz帯 | 5Ghz帯を使用している電子機器が少ないため、電波干渉を受けにくい。 一方、伝送距離が短く、障害物に弱い。 |
IEEE802.11b | 11Mbps | 2.4GHz帯 | 高速ではないが、導入コストが安い。伝送距離が長く、障害物に強い。 |
最近の中継器の中でオススメの商品はありますか?
「弊社のオススメは、2016年6月に発売された『WTC-1167HWH』です。
使い方は簡単で、親機となるルーターのそばでコンセントに指し、それぞれのWPSボタンを押すだけ。それだけで親機の電波を中継することが可能になるんです。その後は、Wi-Fiを使いたい場所のコンセントに中継器を差し込んでください。
さらに、中継器は小型化が進んでいて、「WTC-1167HWH」のサイズもiPhone6sよりも2周りほど小さくなっています」
この中継器を使えば、Wi-Fiが利用できる範囲が「マンションなら2部屋分」「戸建てなら2フロア」(いずれもエレコム株式会社調べ)広がります。
ただし、中継器はあくまで電波を中継して、遠くでも接続できるようにしてくれる機器。中継器を設置したからといって、大元のWi-Fiよりも速くネットが利用できるわけではないのでご注意を。
YouTubeやNetflixが快適に視聴できない、オンラインゲームにラグが発生する、動画配信がうまくできないなどWi-Fiの接続不調にお困りな方は、ぜひ最適な中継器を選択し購入してみてはいかがでしょうか。きっと今よりも快適なネットライフを楽しめるはずです。
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PHOTO:くまみね(マンガ)、PreBell編集部
TEXT:PreBell編集部