AR(拡張現実)の特徴!MR・VRとの違いや活用例を簡単に解説
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2023.11.21 AR(拡張現実)の特徴!MR・VRとの違いや活用例を簡単に解説

ARは「Augmented Reality(アグメンティッド・リアリティ)」の略で、現実世界を立体的に読み取り、仮想的に拡張する技術のことです。

拡張現実を意味するARは、現実世界とデジタル情報を融合させ、効率的で便利な社会を創りだす可能性を秘めています。

ただし、ARはその用途や目的が多岐にわたるため、具体的な活用方法を理解していないと難しく感じてしまうでしょう。

そのため、本記事ではARの特徴、MRやVRとの違い、さらにはARの活用シーンについて詳しく解説します。

これにより、AR技術がビジネスやプライベートにどのように役立つかを見極めることが可能になります。

本記事ではARの特徴、MRやVRとの違い、さらにはARの活用シーンについて詳しく解説

AR(拡張現実)とは

AR(拡張現実)とは

AR(Augmented Reality)は現実世界にデジタル情報を追加し、視覚体験を拡張する技術です。

これは主にスマートフォン、タブレット、またはARグラスを用いて実現されます。

ARは実際に目で見ている風景に、CGを追加することで、現実世界に仮想空間を作り出す技術です。

具体的には、現実世界の画像や映像と動画や3Dのコンテンツを組み合わせる表現方法を用います。

MR(複合現実)とは

MR(複合現実)とは

MR(Mixed Reality)は現実とデジタル情報を融合する技術で、ARよりも情報量が大きいのが特徴です。

3Dオブジェクトを現実のように配置でき、エンターテインメントからビジネスまで幅広く活用が期待されています。

MRゴーグルは現実空間を認識し、ホログラムを投影します。

たとえば、実物大の車を再現し、外観や車内を確認することが可能です。

MRはビジネスシーンで幅広く活用が進んでおり、次世代技術として注目を集めています。

VR(仮想現実)とは

VR(仮想現実)とは

VR(Virtual Reality)は、「限りなく実体験に近い体験」を提供する技術です。

VRゴーグルを装着することで、360度広がる3次元空間に没入できます。

視覚や聴覚、前庭感覚(バランス感覚)、体性感覚(温度や痛覚)の刺激により、より深い没入感が生まれます。

エンターテインメントだけでなく、観光や医療などでも活用されています。

AR(拡張現実)の種類

AR(拡張現実)の種類

ARには4種類あり、何をトリガーにしてARコンテンツを起動させるかによって分かれます。

画像認識型AR

画像認識型(マーカー型)ARは、特定の写真やイラスト、文字などを画像認識し、その特徴が設定にある情報と一致した場合にARコンテンツが自動的に起動する仕組みです。

この方式は、ポスターや画像、壁面のデザインを読み取ってARコンテンツを起動する場合に適しています。

パッケージやラベルなどにマーカーを入れてARコンテンツを表示することが可能で、ユーザーがカタログや雑誌に掲載したマーカーを読み取り、リアルな動画を視聴すること等も可能です。

この方式はARの中では最もシンプルで自由度が高く、コストもかからないというメリットがあります。

ただし、ARコンテンツの起動精度は画像の照度や環境に左右されやすいという特徴もあります。

空間認識型AR

空間認識型AR

空間認識型ARは、現実の空間をカメラやセンサーで認識し、その情報をスマートフォンから得られるデータと組み合わせて立体的な空間を再現します。

現実の空間の高低差・大きさ・奥行きなどを認識することが可能で、これによりユーザーはARコンテンツの表示場所を自分で調整できます。

自動運転のように、ユーザーの現在地や周辺の障害物を含めて、リアルタイムで空間を認識する能力を持っており、家具の配置のシミュレーションやゲームなど、さまざまな分野で活用されています。

位置情報型AR

位置情報型AR

位置情報型(GPS型)ARは、スマートフォンやその他のデバイスから取得したユーザーの位置情報を基に、ARコンテンツを表示する手法です。

位置情報と加速度センサーなどの情報を組み合わせることで、ユーザーの現在地を特定し、リアルタイムにキャラクターや移動情報などを表示することが可能です。

具体的には、ARコンテンツが表示されるよう設定された場所にスマートフォンをかざすと、ARコンテンツが出現します。

この技術は、スマートフォンの道案内サービスなど、地図に関連するサービスで広く活用されています。

物体認識型AR

物体認識型AR

物体認識型ARは、特定の立体物を認識し、関連するARコンテンツを表示する技術です。

立体物はどの角度からでも認識可能で、カメラで撮影すると対象物の特徴が解析されます。

この解析結果に基づき、映っている面に対して設定されているコンテンツが表示されます。

一般的な画像認識とは異なり、一方向からの撮影、マーカーの準備も必要なく店舗の商品に対して「カメラ越しで商品説明を表示」するなどの活用が可能です。

しかし、「3Dを読み込む」という特性から、他のタイプと比較して開発や導入が難しいデメリットも存在します。

AR(拡張現実)を体験するには

AR(拡張現実)を体験するには

AR体験には、ARスマートグラスやスマートフォンなどのデバイスが必要です。

ARスマートグラスは、デジタル情報が実際の風景に重ね合わされ、両手が自由な状態で利用できるためビジネス現場で活用されています。

スマートフォンやタブレットは、専用アプリやWebブラウザを使用してARを体験します。

たとえば、人気ゲームのポケモンGOはスマホ向けARアプリで、現実世界でポケモンを探したり、育てたりして遊ぶことが可能です。

AR(拡張現実)を活用しているシーン

AR(拡張現実)を活用しているシーン

ここでは、ARの活用シーンをいくつかご紹介します。

【小売業界】
家具の試し置きアプリや商品棚のマーカーで商品のプロモーション動画を配信するなどの購買促進に活用されています。

【製造・物流業界】
ミス防止や業務効率化に活用されています。

【航空会社】
荷物の積載状況の監視や、積載手順の表示などに活用されています。

【建設会社】
建機のシミュレーションで事故リスクを検証する等に活用されています。

【鉄道会社】
検査方法や手順を体験できるアプリに活用されています。

【観光業界】
名所や史跡の紹介、季節を問わず紅葉を楽しめるARコンテンツの配信に活用されています。

【美容業界】
顧客とのコミュニケーション、バーチャルメイクサービスでの化粧品の疑似体験に活用されています。

【飲食メーカー】
QRコードで映像を配信するARコンテンツに活用されています。

【農業】
農作物の育成具合や温度の表示などに活用されています。

まとめ

まずは身近なところでARを体験してみるのがおすすめ

ARは現実世界にデジタル情報を追加することで視覚体験を豊かにする技術です。

ただし、その体験にはスマートフォンやARグラスが必要です。

ARには画像認識型、空間認識型、位置情報型、物体認識型の4種類があり、それぞれの特徴を理解することも大切です。

ARの使用は年々増加しており、2026年には市場規模が884億ドル、日本円で約13兆円に達すると予想されています。

今回ご紹介したゲームアプリ「ポケモンGO」など、AR技術を活用したアプリが増えているので、まずは身近なところでARを体験してみるのがおすすめです。

TEXT:PreBell編集部
PHOTO:iStock

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