APIとは?仕組みやメリットを解説
最近よく耳にするAPIについてご存知ですか?
APIは「アプリケーションとWebサービスをつなぐもの」と簡単に表現できますが、多くの人がその正確な意味を理解していないかもしれません。
本記事では、APIの特性、その仕組み、そしてメリット・問題点について解説します。
この内容を理解することで、APIがどのようなものであるかを明確に把握することが可能になり、うまく活用できるようになるでしょう。
API(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)は、ソフトウェア、プログラム、Webサービスをつなぐインターフェースです。
APIを使用すれば、異なるソフトウェアやプログラムを連携させ、アプリケーションの機能を拡張できます。
従来のAPIでは、各アプリケーションが独自の仕様で連携し、異なるAPIを使うたびにそれぞれの仕様に従う必要がありました。
しかし、インターネットの普及により、Webブラウザーを介して各種Webサービスを組み合わせる、いわゆるマイクロサービスという開発方法が注目されています。
これにはAPIが重要な役割を果たしています。
APIには3つの種類があり、その使用方法は用途によって異なります。
Web APIとは、アプリケーションとWebサービスを連携させるためのインターフェースで、クラウドサービスの普及と共に頻繁に使用されるようになりました。
Web APIの特徴は、HTTPS通信を用いてインターネット上でデータのやり取りを行うことです。
これにより、異なるプログラミング言語で構築されたソフトウェア同士でも通信が可能となり、プログラミング言語の仕様に影響されずに汎用的に活用できます。
具体的な例は、以下があります。
・Google Maps PlatformはウェブサイトにGoogle Mapを埋め込むAPI
・Amazon APIはAmazonに掲載されている商品情報を取得できるAPI
・YouTube Data APIは動画情報の解析やウェブサイトへの再生プレイヤーの埋め込みを可能にするAPI
・X APIはウェブサイト上でのフォローや自動投稿などの機能を利用するためのAPI
・PayPal CheckoutはECサイト上でPayPalの画面に遷移せずに決済ができるAPI
これらのWeb APIはGoogle、Amazon、Facebookなどの大企業から提供されており、多数の無料APIもWeb上に公開されています。
OSが提供するAPIは、OS上でプログラミングを行うために必要なものです。
開発者がOSの機能や情報を簡単に取得できるようにし、開発効率を高めることを目的としています。
APIの一例としては、Windows APIが挙げられます。
これは、Windows OSの機能を効率良く利用するために、サービスを開発中の企業が使用します。
Windows APIは、Microsoftから開発者に提供されており、必要な機能だけを切り出して利用できるため、一からプログラムを構築する必要がありません。
さらに、Microsoftは「.NET Framework」というアプリケーションフレームワークも提供しています。
これはWindows APIを活用した開発を行うためのもので、開発者がWindows APIをより利用しやすくするための仕組みを提供しています。
これらの仕組みのおかげで、開発者はWindows OS向けのアプリケーションをより簡単に開発できるようになっています。
ランタイムのAIPIは、プログラムの生産性を向上させるために活用されます。
例えば、プログラミング言語のJavaがこれに該当します。
Javaはアプリケーション開発に必要な標準機能や拡張機能の多くをAPIとして提供しており、開発者はAPIのルールに従って自然とプログラミングを行なえるようになっています。
また、Javaの開発元であるオラクル社は、Java SE APIの仕様を開発者ガイドで詳しく紹介しているため、APIのドキュメントの構造や読み方について理解しておけば、より効率的に利用することが可能です。
Web API通信の仕組みは、構築、開発、実装、連携、認証の各フェーズに分けられます。
構築フェーズではサーバや開発環境の準備が行われ、開発から連携フェーズまではアプリケーション設計の仕組みの考察やソースコードの作成、デバッグ作業が中心です。
認証フェーズでは、大規模サービスとの連携に必要なアカウント取得や認証設定、セキュリティ対策が行われます。
Web APIでは、クライアントサイドのプログラムがデータを送信し、サーバサイドのWebサーバがデータを処理して結果をクライアントに返信します。
さらに、APIはユーザーが必要とするたびに利用され、その応答を得ることで機能します。
例えば、ECサイトでのクレジットカード決済機能では、クレジットカード運営会社が提供するAPIを利用することで、ECサイト側はカード情報の管理や、セキュリティ対策を施す必要がなく、ユーザーは安全に買い物ができるのです。
API連携の大きなメリットは、以前はシステムに必要な機能はすべて自社内で開発する必要がありましたが、API連携を活用すれば機能開発の手間が省け、システム開発のハードルが下がることです。
また、API連携は開発コストを抑えることができ、結果としてユーザーへの提供価格も低く設定することが可能です。
これにより、最新情報が反映された豊富な機能を持つコンテンツやアプリを低価格で提供でき、顧客の満足度が向上します。
API連携の問題点は、連携先のサービスが仕様変更を行なった場合やトラブルが発生した場合、自社のアプリやコンテンツにも影響が出る可能性があるという点です。
そのため、変更のタイミングや内容を把握し、問題なくアプリが使えるよう調整を行う必要があります。
APIの活用は、ビジネスを円滑に進めるために多くの企業や個人が利用しています。
さらに、APIはサービス開発の効率を高め、ユーザビリティを向上させます。
しかし、API連携に過度に依存すると、提供者側のメンテナンスやサービス終了などの都合により、トラブル対処が遅れる可能性があります。
したがって、信頼性の高いAPI連携先を選び、あくまで開発を支援するツールとして利用することが重要です。
APIのメリットとデメリットを理解し、有効な開発ツールとして活用していきましょう。
TEXT:PreBell編集部
PHOTO:iStock
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