DAO(分散型自律組織)のメリットと問題点!事例付きで解説
「最近ネットでよく見かけるDAOとは何?」
「具体的な事例について知りたい」と考えている方もいるでしょう。
DAOは、特定の管理者が存在せずとも、事業やプロジェクトを推進する組織を指す言葉です。
この概念は2014年頃からありますが、最近では頻繁にインターネットで見かけます。
本記事ではDAOの特徴やメリット・問題点、具体的な事例も含めて、DAOについてより深く理解するための情報を解説します。
目次
DAOはDecentralized Autonomous Organizationの略で、日本語では「分散型自律組織」と呼びます。
これはブロックチェーン技術を活用して中央管理者のいない組織体を形成するもので、従来の組織形態とは異なり、参加者全員が組織の決定に参加することを可能にします。
その結果、透明性が高く効率的で公平な組織運営が可能になります。
NFT(Non-Fungible Token)は、デジタルアートや音楽などのデジタルアセットに固有の価値を与える技術です。
より詳しく説明すると、これは偽造不可能な鑑定書、または所有証明書付きのデジタルデータを指します。
一方、DAOは、オンラインコミュニティや組織が共有資源を管理し、意思決定を行う新たな形式の組織構造を提供します。したがって、NFTが進化すれば、共同で購入するDAOが形成される可能性があります。
また、参加権を持つNFTが発行されることで、DAOの運営方法が提供されます。
これにより、DAOとNFTはパートナーシップを形成します。
そのため、DAOを設立・組織する際には、資金調達の手段としてのNFTは無視できません。
組織としてのDAOには、主に3つのメリットがあります。
DAOは、ガバナンストークンを持つ者なら誰でも参加でき、中央管理者が不在で全員が運営に平等に関与できることです。
また、年齢や国籍、性別、能力を問わず、ガバナンストークンを持つ者はプロジェクトの運営に関与できます。
多くのDAOは、コミュニケーションにDiscordを使用しており、参加はDiscordサーバーへの加入が必要になります。
DAOはスマートコントラクトにより運営され、意思決定は参加者全員により行われ、ブロックチェーンに記録され公開されます。
これにより、人間の介入を排除し、透明性と公平性が保たれ、不正の可能性が低減します。
また、運営情報はブロックチェーンに保存され、いつでも最新の財務状況を確認できます。
DAOは、ガバナンストークンを発行し、仮想通貨取引所に上場することで資金を調達します。
これはスマートコントラクトを通じて行われ、イーサリアムなどのパブリック・ブロックチェーン上での資金調達は効率的かつ低コストです。
組織としてのDAOには、主に3つの問題点もあります。
DAOは既存の法律の管轄外で運営され、法整備が追いついていない地域も多いため、法的な不確定性と規制上の課題が存在します。
これは、DAOを立ち上げる際の問題になり得ます。
しかし、一部地域ではこの問題に対する解決策が進んでいます。
例えば、アメリカのワイオミング州とミクロネシアのマーシャル諸島では、DAOを法人として承認する法改正が決まりました。
DAOでは、ガバナンストークンの投票により方向性を決定し、特にハッキングやスマートコントラクトの欠陥が発見された際など、意思決定が遅れる可能性があります。
加えて、このような状況でも原則として、ガバナンストークンの投票は必須で、これを無視するとDAOとして機能しません。
つまり、素早い事態収拾が難しいというのがDAO運営のデメリットです。
DAOはブロックチェーン技術を活用していますが、ハッカーの侵入やスマートコントラクトの脆弱性や不正行為によるリスクに直面しています。
例えば、「The DAO」事件では、スマートコントラクトの脆弱性が悪用され、大量の資金が盗まれるという事態が発生し、参加者の資金やプライバシーは大きな危険に晒されました。
これらのリスクを軽減するためには、セキュリティ対策の強化とコードの慎重な監査が重要です。
特に、DAOの運営者は、参加者の資産を守るために、セキュリティ対策を徹底することが求められています。
ビットコインは初のブロックチェーンベースの暗号通貨で、完全なDAOとされています。
運営は自動化され、取引記録はマイナーが管理し、その報酬はトランザクションから生まれます。
これにより不正行為は抑制、参加者は自由にマイナーになれ、全員が平等に運営に関与します。
これらの特性がビットコインを取引量の多い暗号通貨にしているのです。
ちなみに、日本ではZOZOの創業者、前澤友作氏が設立した「MZ DAO」(エムズィーダオ)がありますが、DAOとは別のものになるため注意が必要です。
DAO(分散型自律組織)はブロックチェーンに基づく民主的な組織で、参加者が直接意思決定に関与できます。
ガバナンストークンを保有していれば誰でも運営に参加できます。
これらのトークンは投資対象として注目を集めていますが、同時に法的・規制上の問題、セキュリティ問題、ガバナンスの難しさなどの課題も存在します。
それでも、越境取引の促進やイノベーションの加速などの潜在的なメリットがあるため、今後の展開に期待が寄せられています。
TEXT:PreBell編集部
PHOTO:iStock
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