iPhoneのMagSafe(マグセーフ)とは?メリットと注意点を紹介
AppleのiPhone12シリーズから登場した充電技術「MagSafe(マグセーフ)」。
この技術は、単なる充電方法の進化にとどまらず、iPhoneを取り巻く環境を拡張する重要な役割を担っています。
本記事では、MagSafeの仕組みやその仕組みから生み出されるメリット、さらに使用する際の注意点など、MagSafeに関するあらゆることを深く掘り下げて解説します。
iPhone12以降をお使いの方、または今後新しいiPhoneの購入を検討中の方は、ぜひ参考にしてください。
目次
MagSafeは、磁気を利用した高速ワイヤレス充電技術です。
iPhone本体の背面に配置された環状の磁石と、その内側に位置する銅製のコイルが連携することで、MagSafe対応アクセサリーを正確に位置合わせし、効率的な電力伝送を可能にします。
さらに、Near Field Communication(NFC)チップが搭載されており、接続されたアクセサリーを識別する機能も備えています。
MagSafeは当初、Apple製品専用の技術でしたが、現在では「Qi2(チーツー)」として標準規格化され、Android端末を含む幅広いデバイスでの採用が進んでいます。
ここでは、MagSafeの4つのメリットをご紹介します。
MagSafe充電器は磁力でiPhoneにピタッとくっつくため、従来のワイヤレス充電器のような位置合わせの難しさがありません。
さらに、ケーブルの抜き差しが不要なので、コネクタ部分の摩耗や断線のリスクが大幅に減少します。
暗い場所でもケーブルのポート探しをする必要がなく、使いやすさが格段に向上しています。
ストレスなく、より快適に充電を行うことができるようになりました。
MagSafe対応のアクセサリーは、粘着テープを使わずに簡単に取り付けたり取り外したりできます。
ウォレット、スタンド、車載ホルダーなど、さまざまなアクセサリーが登場しており、状況に応じて異なるアクセサリーを簡単に付け替えられるようになりました。
粘着剤を使用しないため、ケース汚れや、粘着力の低下を心配する必要がありません。
角度調整可能なMagSafe製品を使用すれば、スマートフォンの画面を確認しながら作業ができます。
たとえば、キッチンでは調理中にレシピを確認したり、動画を見ながら料理をしたりできます。
デスクワークでは、PC作業中にスマートフォンの通知をチェックしやすくなり、作業効率が向上します。
ビデオ通話時には、手持ちでなく安定した角度で通話が可能となり、長時間の通話でも疲れにくくなります。
就寝前の読書や動画視聴も、ベッドでハンズフリーで楽しむことができます。
MagSafe対応のウォレットケースを使用すれば、財布を持ち歩く必要がなくなります。
必要最小限のカードだけを持ち歩けるため、ミニマリストなライフスタイルを実現できます。
NFCによる検出機能により、ウォレットの取り外しを検知して通知することができるため、セキュリティ面でも安心です。
MagSafeにはメリットがありますが、使用時には以下の点に注意が必要です。
MagSafe対応製品は従来のアクセサリーより高価な傾向があります。
標準的なワイヤレス充電器が2,000円程度であるのに対し、MagSafe充電器は4,000円以上することが多いです。
ただし、長期的な使用や多機能性を考慮すると、コストパフォーマンスは悪くない場合もあります。
MagSafeはiPhone12以降の機種でのみ対応します。
古い機種では、MagSafe対応アクセサリーを使用できません。
MagSafeはICカードやクレジットカードに影響を与える可能性があります。
とくにMagSafe対応のウォレットケースを使用する際は、カードの磁気ストライプやICチップへの影響に注意が必要です。
また、ペースメーカーなど医療機器への影響も少なからずあるようなので、場合によってはかかりつけの医療機関に相談する必要があります。
磁力の強さによっては、予期せぬタイミングでアクセサリーが外れる可能性があります。
たとえば、動きの多いジョギング中や、バッグの中でのアクセサリーの脱落です。
しかし、高品質のMagSafe対応アクセサリーを選ぶことで、このリスクは軽減できます。
充電速度と使い勝手の観点から、MagSafe、Qi、USBケーブルの3つの充電方式を比較してみましょう。
MagSafe | Qi | USBケーブル | |
充電速度 | 最大15W | 最大7.5W(iPhone) | 20〜30W |
0%から50%充電 | 約60分 | 約90分 | 約30分 |
使い勝手 | 磁気による安定した接続が可能 | 位置合わせが難しい場合あり | コネクタ差し込みが必要 |
その他の注意点 | Apple認証のMagSafe充電器使用時のみ最大出力 | 非認証のQi充電器では充電速度が制限される | ケーブルの制約を受けるが、急速充電が可能 |
MagSafe充電は最大15Wの高速ワイヤレス充電が可能で、Apple認証のMagSafe充電器を使用した場合のみ、この最大出力が得られます。
使い勝手の面では、磁気による安定した接続が可能で、充電器とデバイスの位置合わせが簡単です。
Qi充電は一般的に7.5W以上が急速充電タイプとされていますが、iPhoneの場合、非認証のQi充電器では7.5Wに制限されます。
MagSafeと比べると充電速度が遅く、位置のズレによってさらに遅くなる可能性があります。
使い勝手の面では、デバイスと充電器の位置合わせが難しい場合があり、充電中に誤って動かしてしまうと充電が中断される可能性があります。
USBケーブル充電は20〜30Wまで対応可能で、3つの中で最も高速です。
使用する電源アダプターによって充電速度が変わりますが、20W以上の電源アダプターを使用すれば急速充電が可能です。
使い勝手の面では、暗い場所でのコネクタの差し込みには少し手間がかかったり、ケーブルの取り回しが必要なのでデスク周りが煩雑になったりする可能性があります。
MagSafe技術は、高速充電、簡単なアクセサリー着脱、便利な使用性など、多くのメリットがあります。
一方で、価格や対応機種の制限、磁気干渉への注意など、考慮すべき点もあります。
頻繁に充電する必要がある場合や、多様なアクセサリーを使いこなしたい場合は、MagSafeの利点を最大限に活かせるでしょう。
しかし、既存のチャージャーやアクセサリーに満足している場合や、対応デバイスへのアップグレードを予定していない場合は、現状のままでも問題ないかもしれません。
最終的には、自身のニーズと優先事項を慎重に検討し、MagSafe技術を活用するかどうかを判断することをおすすめします。
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TEXT:PreBell編集部
PHOTO:iStock
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