Airbnbの創業ストーリーについて徹底解説。多重債務にまで陥った創業者のストーリーも
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2023.08.28 Airbnbの創業ストーリーについて徹底解説。多重債務にまで陥った創業者のストーリーも

日本で「Airbnb」と聞くと、まだ分からない方も多いかと思います。

Airbnbは、日本の従来の「民宿」をアップグレードようなした形であり、個人所有の家やアパートに宿泊をできるサービスです。

若い世代を中心に認知度は高くなっており、世界では旅行の際に通常のホテルや宿泊所と並ぶくらいの選択肢として広がっています。

Airbnbがどのようなサービスなのか、どういった創業背景があるのかをご存知の方は少ないのではないでしょうか?

この記事では、Airbnbの創業ストーリー、創業時の失敗談についても解説をしていきます。

  • Airbnbは2007年アメリカサンフランシスコで創業された
  • 創業当時は全くヒットせず、創業者はクレジットカードの多重債務までしていた
  • ある時に始めたシリアルの事業が成功して、この成功経験で融資を受けられるようになった
  • 現在のAirbnbは日本のNTTやトヨタ自動車に匹敵する企業価値となった
Airbnb記事のポイント

Airbnbとは?

Airbnbとは?

Airbnb(エアビーアンドビー)とは、日本で昔からある「民宿」のようなサービスです。

世界中の個人所有の施設や自宅を、宿泊施設として提供するサービスです。

2008年に創業者のブライアン・チェスキー、ジョー・ゲビア、ナサン・ブリュースターによって設立され、その後世界的に広がっていきました。

日本でもサービスが展開されており、個人所有のアパートや一軒家等にホテルよりも比較的安価で泊まることが可能です。

貸し出す側としての利用ももちろん可能です。

観光客の多い地域に住んでいる方は、自分の自宅等を貸し出して収入を得ることもできます。

Airbnbを企業価値として考えると、企業価値は約10兆円を超えています。

これに匹敵する企業価値を持っている日本企業は、NTTやトヨタ自動車等、数社しか存在しません。

そのようなグローバル大企業を創り出したのは、アメリカ出身のブライアン・チェスキー氏、ジョー・ゲビア氏です。

彼らの創業ストーリーを3つの段階に分けて解説をしていきます。

Airbnbの創業ストーリー

Airbnbの創業ストーリー

1.仕事を辞めてアパートの家賃が払えなくなる

ブライアン・チェスキー氏、ジョー・ゲビア氏はロードアイランド州の美術大学、RISDで出会った大学の友人でした。

彼らは卒業後、ロサンゼルスで新卒の仕事を得て働くことになります。

ただ、安定した仕事にどこか不安感や挑戦していない焦り等がありました。

そのことから、彼らは仕事を辞めてサンフランシスコで起業することになります。

ですが、あまり職歴もなかったため、貯金がない状態だった上、定職のない状態でした。

2人で住んでいたアパートの家賃が1150ドル(約15万円)だったため、すぐに貯金がなくなります。

こういった状況で、家賃を賄うために「自宅アパートのロフトを旅行者に貸し出して、お金を得る」発想を得ます。

Airbnbの名前の由来

これがAirbnbの発想につながりました。

Airbnbの名前の由来は、Air Bed and Breakfast(空気ベットと朝食)からきています。

ベッドと朝食(Bed & Breakfast)は簡易な宿泊施設のことです。

当時、彼らが貸し出せたのは空気ベッド(Air Bed)だったので、Bed & BreakfastとAirを掛け合わせ、Air Bed and Breakfast→Airbnbとなりました。

2.次々に新しい事業が失敗

2.次々に新しい事業が失敗

こうしてAirbnbが創業されますが、自宅のロフトを貸し出すだけで約月15万円の高額な家賃を賄うことはできません。

そのため、Airbnbを細々と続けながら、彼らは別のサービスを始めました。

それが、ルームメイトのマッチングサービスでした。

当時のサンフランシスコでは、彼らのようにルームシェアをして住んでいる人が一定数いたため、そのマッチングサービスを始めました。

ですが、このサービスも彼らの出費を賄うことができずに挫折します。

その次に始めたのが、Airbed for Conferenceでした。

サンフランシスコでは、国際的な会議や会合がよく開かれていたので、こういった会議や会合向けに空気ベットの貸し出しサービスを始めました。

会議中の休憩といったニーズを捉えようとしたのかもしれません。

ですが、これも会議のニーズと合わずに事業として失敗します。

このような形で全くどの事業も失敗して、借金だけが増えていきました。

3.借金まみれになって絶望する

3.借金まみれになって絶望する

このような状態になっても、彼らはAirbnbの事業を諦めませんでした。

様々な投資家と会い、投資を募ることにします。

ただ、ほぼ全ての投資家が会ってくれないか会っても投資を断られてしまいました。

結局、資金調達はうまく行かなかったため、Airbnbの事業拡大は借金をして始められます。

二人は作れる限りのクレジットカードを作ることにしました。

トレーディングカードを集めるために使うバインダーにクレジットカードを、まるでコレクションのように見えるほど作ったそうです。

ここまでくると、日本でも貧困の引き金として問題となっている「多重債務」の状態です。

こうした形で生活費や事業資金をクレジットカードに頼っていたため、約300万円ほどのクレジットカードの借金があったそうです。

4.シリアルの事業で儲ける

4.シリアルの事業で儲ける

こういった状況でも、彼らはAirbnbの事業やその他の事業を諦めませんでした。

次に行った事業が「シリアル」の製造です。

AirbnbのBnbは「Breakfast and bed」で「朝食」の要素があります。ここにかけて事業をすることになりました。

ただ、この時Airbnbの2人は多重債務の状態で、シリアルを製造する経費があるわけもありません。

その状態で、助けてくれたのがアートスクールの先輩でした。

アートスクールの先輩の会社が売り上げの分け前を渡すことを条件に無料で1000箱分を印刷してくれました。

シリアル

そして、その中身に近所のスーパーで買ってきたシリアルの中身を詰め込んで売ることにします。

そのパッケージは当時選挙を行っていたオバマ元大統領のパッケージを印刷して、話題に乗ろうと考えました。

このシリアルが売れることになり、30万ドル(約4000万円)稼ぐことができたそうです。

そのため、当時は民泊の会社というよりはシリアルの会社でした。

一度稼いだことをきっかけにAirbnbが成長し始める

一度稼いだことをきっかけにAirbnbが成長し始める

その後、Airbnbは大きく成長することになります。

きっかけは、シリアルの事業で成功をしたことでした。

一度稼いだことがある実績を元に、様々な投資家から投資を受けられるようになります。

以下に詳しく解説していきます。

1.初めての投資家からの資金調達

1.初めての投資家からの資金調達

Airbnbの事業と並行して様々な事業を行っていた2人が学んだことは「自分のやりたい事業に集中すること」でした。

どれも中途半端になるよりも、Airbnbの事業に100%自分のリソースを投下してみようと考えました。

そこで、Y Combinator(スタートアップの投資イベント)の2009年冬季バッチに応募します。

そこで合格をして、2万ドル(約200万円)の投資を受け取りました。

投資額としては少ないですが、これを元手にAirbnbのプラットフォームの整備、宿泊施設の拡大等にあてていきました。

その結果、何度も投資家から投資を受けられるようになり、次には約6000万円の投資を受けていきます。

最終的には、720万ドル(7億5000万円)の投資を受けられるまでに成長しました。

2.海外への進出

2.海外への進出

ここまでの投資を受けられると、アメリカだけでなく海外にもビジネスを展開できるようになりました。

現在でもAirbnbの売り上げの半分を占める、ヨーロッパへ進出します。

ヨーロッパはバックパッカーも多く、安く泊まりたい旅行者と泊まらせたい現地の人も多くいます。

ヨーロッパでのビジネスをきっかけとして大きく成長することになりました。

その後、日本を含むアジアにも進出して、いわゆるグローバル企業にまで成長することになります。

まとめ

Airbnbの社会に与える影響について

Airbnbは、企業価値でいえば、日本のNTTやトヨタ自動車に匹敵する超大手グローバル企業です。

その企業の裏側には、多重債務にまで落ちいった2人の創業者の物語があります。

もし今後Airbnbを使うことがあれば、壮絶な創業のストーリーや現在のAirbnbの社会に与える影響について考えてみてはいかがでしょうか?

PHOTO:iStock
TEXT:PreBell編集部

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