NEC、自販機で顔認証決済を可能に
日本電気(NEC)は4月24日、自動販売機で顔認証により飲料が購入できる「顔認証決済サービス」を提供開始した。
今後5年間で5000台の自動販売機への導入を目指すとしており、5月中旬に伊藤園で先行導入が決定している。
これまで、オフィスや工場、病院などの高いセキュリティが求められる施設では、自動販売機の設置が困難だった。顔認証決済を導入することで、物品の持ち込み制限がある場所への新規設置が可能となる。
利用者は事前にスマートフォンを用いて自販機に記載のQRコードを読み込み、専用Webサイトで顔画像やクレジットカード情報、商品購入時の認証パスコードを登録しておく。購入時は自動販売機に取り付けられたタブレットのカメラを通して顔認証を行った後、パスコードを入力するだけで飲料を購入できる。顔認証はマスクのままでも可能だ。
利用者情報のマーケティング活用も
NECは顔認証決済を行うためのクラウドサービスと顔認証決済アプリを搭載したタブレット端末を提供する。新設の自動販売機だけでなく、既存の自動販売機に後付けすることもできる。
顔認証決済を導入した企業は自販機の設置場所を拡大できるほか、利用者の登録情報や購買日時、金額などをマーケティングに活用できる利点がある。最小導入数20台で初期費用は450万円、月額費用は15万円。
顔認証技術は認証精度が向上しており、オフィスなどの入退室管理、パソコンやスマホの端末ログインにおける活用が急速に進んでいる。それに加えて、経済産業省の調査によると、2022年のキャッシュレス決済比率が過去最高の36%となるなど、「財布を持たずに支払いを済ませる方法」を選ぶ利用者が急増している。
顔認証技術を用いれば、財布もスマホも要らない「手ぶら」での決済が可能になる。今後、生体認証技術の購買体験への活用がより一層進むかもしれない。
【関連リンク】
・NECが自販機用の顔認証決済サービス提供、既存自販機への後付けにも対応(日経XTECH)
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/news/18/15065/
TEXT:PreBell編集部
PHOTO:iStock
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