JR西日本がキャッシュレス決済に進出
JR西日本がスマートフォンを用いたQRコード決済サービスを提供する計画を進めており、2024年度にも始める。乗客の消費動向のデータを収集し、新たなサービスの創出に繋げる狙いだ。
新しい決済サービスは「WESTERウォレット(仮称)」。JR西日本が発行するクレジットカード「J-WESTカード」や交通系ICカード「ICOCA(イコカ)」と同様に、独自のポイントが付与される。
QRコード決済とはスマートフォンに表示されるQRコードを読み取ることで決済ができる仕組み。事前に金融機関やクレジットカード経由でお金をチャージして決済する。すでにソフトバンクグループの「PayPay」や楽天グループの「楽天ペイ」などが同様のサービスを展開している。
JR西日本の事業エリアは、人口減少などの要因で鉄道収入が伸び悩んでおり、他の事業の強化が急務だった。23年春にはポイントサービスを「WESTERポイント」に統合した。6月からは「モバイルICOCA」の提供を始めている。
通常の購買に利用できる新たな決済サービスを通じ、利用者の乗降履歴や購買履歴のデータを集める。収集したデータを元に、鉄道利用を促す施策を展開する計画だ。将来的には、デジタル給与払いは自動改札機での導入などを検討する。
スマートフォン決済はこれまで携帯会社やIT大手が主導してきた。鉄道会社が参入するのは初めてとなる。JR西日本の参入でスマホ決済業界がどう変わるかに注目が集まる。
増加するスマホ決済
スマートフォン決済の利用者は増加傾向にある。経済産業省が発表している国内のキャッシュレス決済比率は年々上昇している。2022年は36%で、2021年から3.5ポイント増加した。
内訳はクレジットカードが30.4%、デビットカードが1%、電子マネーが2%、コード決済が2.6%だった。政府はキャッシュレス決済比率を2025年度までに4割にする目標を掲げている。
【関連リンク】
・JR西日本、QR決済を検討 スマホ利用、24年度目標(共同通信)
https://nordot.app/1062324434087067721?c=110564226228225532
TEXT:PreBell編集部
PHOTO:iStock
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