東京海上日動火災、保健業界向けAI開発
東京海上日動は4月19日、保険領域に特化した対話型AIを6月から試験的に導入すると発表した。
開発にあたって、日本マイクロソフト(東京・港)とPKSHA Technology(東京・文京)の2社と連携した。
開発する対話型AIには、大量のテキストデータを事前に学習した大規模言語モデルを用いる。同モデルで代表的なのは米オープンAIが公開したChatGPTだ。文章生成や質問応答も含めた多様な言語処理ができるが、専門用語を含む複雑な内容のやり取りには適応しにくいなど、一定のハードルもあった。
今回開発する対話型AIは、東京海上日動が保有する大量のマニュアルや保険商品約款の情報を学習させるなど、保険業界でも活用できる可能性があるとする。
活用の第一歩として、利用者が保険の補償内容や手続きについて尋ねた場合に、対話型AIが回答案を作成するツールを開発する。照会応答サービスのサポートとして活用する見込みだ。
情報流出を防ぐシステム環境
開発は日本マイクロソフトが提供する「Microsoft Azure OpenAI Service自」を利用するほか、独自のシステム環境を整備し、内部の情報が外部に流出するのを防ぐ。AIの利用については、契約情報や個人情報の取り扱いについて社内ルールを設ける。
2024年度中には全社員が活用できるよう体制を整える予定。照会応答サービス以外にも、契約や保険金支払いなどのあらゆるプロセスで活用できるように検討する。
東京海上日動はこれまでにも調査会社のインサイトテック(東京都新宿区)と連携し、当事者との交渉が難航するケースの自動車事故を予測するAIシステムを開発するなど、AIの利用に積極的だ。
目指すのは「人の力とデジタルのベストミックス」だという。AIの能力をうまく活用しながら、人にしかできない新たな価値創出に繋げる。
【関連リンク】
・東京海上日動、保険領域に特化した対話型AIを開発、保険実務で試験活用(IT Leaders)
https://it.impress.co.jp/articles/-/24757
・東京海上など、AIで保険金交渉の難度予測 自動車事故(日本経済新聞)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC23BRJ0T20C23A1000000/
TEXT:PreBell編集部
PHOTO:iStock
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