生成AIを弁護士相談の窓口に
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2023.08.13 生成AIを弁護士相談の窓口に

リーガルテックを手がけるスタートアップのLegal AI(リーガルアイ、東京都文京区)は生成AI(人工知能)で法律相談を受け付けるサービスを提供している。AIが弁護士のアシスタントとして、法務の効率化を目指す。

新サービスでは、米新興のオープンAIが提供する「Chat(チャット)GPT」の基盤となる最新の大規模言語モデル「GPT-4」を活用する。幅広い法律相談に対して、対話形式で回答することができる。

利用者がパソコンやスマートフォンなどから相談内容を入力すると、24時間いつでも即座に回答を得られる。ただし、法律以外の質問については回答を制限するとした。

生成AIにはもっともらしい回答を作り上げてしまう「ハルシネーション」という特性があり、これまで法律分野ではなかなか発展が進まなかった。弁護士法では弁護士以外が報酬を得て法律業務を行うことが制限されていることから、AI単独で法律相談を受けることは不可能だった。

リーガルアイは本物の弁護士とタッグを組ませることで、AIの回答の信頼性を担保する。弁護士の業務を支援する目的で活用し、弁護士の業務負担を軽減する。利用者は弁護士に紐付けられたAIを選択して相談を行う。

同社のLegal AIの最高経営責任者(CEO)である渡部薫氏は「あくまでAIをツールとして使うことがコンセプト」と強調した。弁護士側にとっても相談を受ける機会が増えるという利点がある。

料金は弁護士1人当たり月額990円。利用者は無料で利用できる。今後は離婚や遺産相続、交通事故など主要な相談内容について、AIが基本的な情報の聞き取りを担う機能を追加する予定だ。

わずか2日で1000件の回答

日本では法律に関する悩みを抱える人のうち、約2割しか満足できていない「2割司法」の問題がある。リーガルアイのAI法律相談サービスは、提供開始からわずか2日で1000問以上の質問に回答したという。これまで相談できずに泣き寝入りしていた人々の声を拾い上げるため、AIの活用が期待される。

GPT-4は米国の司法試験の模擬試験で上位10%に入る能力を保持しており、法律業務の44%がAIにより自動化される可能性があるとされる。

【関連リンク】

・生成AI、法律相談窓口に リーガルアイが弁護士支援(日本経済新聞)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC1904S0Z10C23A7000000/

TEXT:PreBell編集部
PHOTO:iStock

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