ITパスポート試験の生成AI問題を公開
IPA(情報処理推進機構)は8月31日、国家資格「ITパスポート」の出題範囲に新たに加えられた生成AI(人工知能)に関するサンプル問題を公開した。生成AIに関する問題は2024年4月以降に実施する試験で出題される。
「ITパスポート」はIT・テクノロジーに関する基礎知識を証明する国家資格だ。日本国内のITを担う人材を目指す人にとっての登竜門となる。
試験を運営しているIPAが公開したサンプル問題は全3問。生成AIの特徴や活用事例、留意事項、基盤モデルに関する知識が問われた。例として、事実とは異なるもっともらしい嘘を表示してしまう生成AI特有の現象について、「ハルシネーション」という名前を選択させる問題があった。
IPAは8月7日、ITパスポート試験の出題範囲に「生成AI」を加えると発表していた。IPAはITパスポートの出題範囲を項目ごとに細かく整理したシラバスを公開している。AI関連項目や法務・セキュリティ項目に生成AIを追加した。
米新興のオープンAIが提供している対話型AI「Chat(チャット)GPT」を代表とする生成AIは全世界で活用が広まっている。国内でも自治体や企業らが業務上の活用を進めており、今後IT人材には生成AI関連知識が求められる。
なお、政府が定めるデジタル人材の育成方針「デジタルスキル標準(DSS)」の一部である「DXリテラシー標準(DSS-L)」にも生成AIに関連する内容が追加された。労働者一人一人がDXリテラシーを身につけることを目標としている。
ITパスポートとは?
「ITパスポート」はIT系国家資格の一つ。IT関連の経験がなくても受験できる初心者向けの試験として知られている。日本国内でITに関連する仕事に就くために必要な知識を証明する資格で、年間20万人ほどが受験している。
試験内容はIT全般と幅広い。セキュリティやネットワークなどのIT知識のほか、マーケティングや法財務など経営知識も問われる。試験は選択式で、一定以上の点数を取ることで合格できる。
【関連リンク】
・ITパスポート試験、新たに追加される生成AI関連のサンプル問題とその出題趣旨を公開中(INTERNET Watch)
https://internet.watch.impress.co.jp/docs/yajiuma/1527938.html
TEXT:PreBell編集部
PHOTO:iStock
この記事を気にいったらいいね!しよう
PreBellの最新の話題をお届けします。