生成AIで最大4割超の時短目指すー日経新聞調査
日本企業で生成AI(人工知能)を活用した業務効率化が進んできた。米新興オープンAIが開発した対話型AI「Chat(チャット)GPT」をはじめとする生成AIを利用すれば、文章の生成や要約作業を自動化できる。日本経済新聞の調査によると、主要企業の7割が労働時間を短縮する計画を進めていることがわかった。
7月、国内の主要企業を対象に生成AIの利用に関する調査を実施した。全110社のうち、94社が回答した。
生成AIを「利用しない」と回答した企業はわずか1社。それ以外の93社が生成AIの何らかの使用を予定していることが明らかになった。
生成AIを業務に取り入れる目的(複数回答)としては、「労働時間の削減」が最多の83%を占め、「生産性向上による売上増」(67%)、「販管費や人件費の削減」(63%)が続いた。生成AIで業務を効率化することにより、より付加価値の高い業務に時間を費やしたい考えだ。
生成AIによる時間短縮を計画する企業は7割。現状の1〜2割の時短を目指す企業が4割だった。中には、最大40%以上の時短を目標に掲げる企業もあった。
一方、生成AIには懸念事項も多い。機密情報の漏洩(73%)や著作権、商標の侵害(66%)が最も多かった。社内での適切な使用にはルール作りが欠かせない。社内規定を設けている企業は5割を超えている。
資料や議事録の作成時間が半分以下に
日本企業による生成AIの導入事例も増えつつある。NECでは今年5月から、国内全社員の4分の1に当たる約2万人が生成AIの活用を始めた。結果、資料作成にかかる平均時間が従来の半分まで短縮されたという。1時間以上かかっていた会議の議事録作成は10分でできるようになった。
AGCでは6月から、約7000人の社員が生成AIを利用している。データ分析のためのソフトウェア作成に要する時間は3日から半日になった。
【関連リンク】
・生成AIで「機密漏洩の懸念」企業の7割 リスク管理カギ(日本経済新聞)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC034NB0T00C23A8000000/
TEXT:PreBell編集部
PHOTO:iStock
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