ドワンゴ勝訴、知財高裁がFC2による特許侵害認める ニュース

ドワンゴ勝訴、知財高裁がFC2による特許侵害認める

動画配信サービス「ニコニコ動画」を運営しているドワンゴ(東京都中央区)は、米法人などとの間で争っていた特許権侵害訴訟で勝訴した。

ドワンゴはコメント配信機能の特許を侵害されたとして、「FC2動画」を運営する米FC2などに配信差し止めと10億円の損害賠償を求めていた。

5月26日、知財高裁で裁判官5人による大合議で審理された。外部から意見を募集する「第三者意見募集」を初めて実施。大鷹一郎裁判長は、ドワンゴの請求を棄却した一審判決を変更し、特許侵害を認定した。FC2には配信差し止めと約1000万円の支払いを命じた。

判決では、サーバーが海外に存在する場合であっても、▽行為の具体的態様、▽国内の存在する要素が発明において果たす機能・役割、▽システムの利用により発明の効果が得られる場所、▽システムの利用が特許権者の経済的利益に与える影響ーーなどを総合的に考慮し、一連の行為が国内に行われたと見なすことができれば、「特許侵害に当たる」との基準を示した。

その上で、FC2のサービスはファイル送受信が国内で行われたと評価できると指摘。国内のユーザー端末を経由してシステムを利用できることから、ドワンゴの経済的利益に影響を及ぼしうるものだとして、特許侵害を認めた。

ドワンゴは、第三者の意見が広く集められた上で勝訴判決がなされたことについて、「画期的」だとコメントしている。

一審は請求を棄却、控訴審で一転勝訴

ドワンゴが特許を持つコメント配信機能は、動画再生中にユーザーのコメントが右から左へ流れるように表示される。FC2動画にも類似の機能があることから訴訟が提起された。

日本では特許権は属地主義を原則としており、適用範囲は国内に限られている。訴訟では、インターネット上で国境を越えて特許技術が使用された場合、特許侵害と認められるかが争点となった。

ドワンゴが2019年に提訴。22年の一審(東京地裁)では、FC2のサーバーが海外にあるとして請求を棄却していた。控訴審となる今回の判決ではこれが覆された形になる。

【関連リンク】

・FC2の特許侵害認める 知財高裁、ドワンゴが逆転勝訴(産経新聞)
https://www.sankei.com/article/20230526-PR65CBRKCNM2FI32YTJ6Q4X3JY/

TEXT:PreBell編集部
PHOTO:iStock

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