Google、カナダでのニュース配信を中止 メタに続く ニュース

Google、カナダでのニュース配信を中止 メタに続く

米Googleは6月29日、カナダの国内で提供する検索サービスからニュース記事へのリンクを削除すると発表した。カナダ議会が同月22日に可決した法案「オンラインニュース法」への対抗策として実施する。

「オンラインニュース法」とは、米IT大手のGoogleやMetaに対し、ニュースコンテンツを共有または再利用する際、ニュース記事を配信する報道機関に正当な対価を支払うことを求める法律のこと。この法案は6ヶ月以内に発行する見込みだ。

Googleは法律に反発。検索サービスのほか、同社が提供するポータルサイト「グーグルニュース」やスマートフォン向けに情報を提供するサービス「グーグルディスカバー」での記事表示を中止する。法案の発行にあわせて実施するとしている。

同社の国際担当であるケント・ウォーカー社長は、新法は「実行不可能」だと指摘。「カナダ人がカナダの報道機関からのニュースにアクセスしやすくなるというだけで、上限のない支払い請求を受ける」と述べた。

世界最大のSNS(交流サイト)のfacebookなどを運営するMetaも6月、カナダでニュース記事の表示を中止すると表明している。

カナダの報道機関を保護するために制定された

オンラインニュース法は、カナダ国内の報道機関を保護する目的で制定された。

カナダ放送協会(CBC)の調査によると、カナダでは2008年以降、450の報道機関がなくなり、3分の1のジャーナリストが職を失ったとされる。企業が広告を掲載する媒体がメディアからインターネットに移行し、主要な収入源だった広告費や購読料に打撃を受けたことが要因だ。

一方、インターネット上でプラットフォームを運営するGoogleやMetaなどの企業は、インターネット広告の需要増により大きな収益を上げている。こうした状況を問題視したカナダのメディア業界からの苦情を受け、法律制定に至った。

カナダ議会は、この法案によりカナダの報道機関は年間3億2900万ドルの収入が得られると推計している。米CNBCの報道によると、CBCは「カナダ人が信頼できる(報道機関の)ウェブサイトのニュースに直接アクセスすることを奨励する」と述べた。

【関連リンク】

・ニュースへのリンクを削除 グーグル、カナダで実施へ(産経新聞)
https://www.sankei.com/article/20230630-5MEZLYGWXNIGLBKFJGBGTJ7P4M/

・Google will block Canadian news outlets from search results in the country(CNBC)
https://www.cnbc.com/2023/06/30/google-to-block-canadian-news-outlets-from-search-results-in-canada.html

TEXT:PreBell編集部
PHOTO:iStock

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