テンセントの手数料値上げに批判相次ぐ
中国テクノロジー大手の騰訊控股(テンセント)が運営する「Wechat Pay(ウィーチャットペイ)」の手数料を引き上げる計画に対し、中国内の各大学から批判が相次いでいる。これを受け、テンセントは6月29日、SNS(交流サイト)やブログ上に謝罪文を掲載した。
テンセントは2015年から、大学内でのWechat Payの決済手数料をゼロにする優遇策を取っていた。ところが、7月1日から決済額の0.6%を徴収すると表明。学内での飲食費や文房具などの購入費といった学費以外の支払いに手数料が発生することになる。
これに中国の西北大学、南京理工大学、周口師範学院、鄭州軽工業大学、鄭州航空工業管理学院など10以上の大学が反発した。6月26日に南京理工大学が学内でのWeChat Payの使用を禁止し、各大学に広がった。鄭州航空工業管理学院は「大学への損失を防ぐため利用を一時停止してください」と呼びかけた。
こうした動きに対し、テンセントは6月29日に「大学での決済手数料について、WeChat Payの不備で多大な迷惑をかけたことについて、各学校や教職員、学生にお詫びする」と謝罪。手数料率は0.6%ではなく、0.2%だと訂正した。加えて、学費や生活料金など非営利的な支払いについては、引き続き手数料をゼロにすることを明らかにした。
優遇策を利用する学内取引が増加
中国では過去10年間でモバイル決済の導入が急速に拡大している。オンライン決済の利用者数は2021年に9億人を超えた。このうち、9割をテンセントと中国IT大手のアリババが占めている。
今回、学内での決済手数料導入に至った経緯として、同社はキャンパス内の販売業者の数が増加し、電子商取引やホテル事業などの特定の営利サービスが優遇策を利用していることがわかったためと説明している。こうした優遇策を抜け穴のように利用する業者の増加により、金融機関との取引で発生するコスト負担が増したという。
【関連リンク】
・Wechatペイが謝罪(中国経済新聞)
https://chinanews.jp/archives/12066
TEXT:PreBell編集部
PHOTO:iStock
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