そごう・西武、買い物客の行動をAI分析
百貨店を運営するそごう・西武(東京都練馬区)は7月14日、AIカメラを用いて買い物客の行動を分析する実証実験を開始した。そごう大宮店の地下1階、地下2階、7階の3フロアを対象に、5月30日から9月30日までの4カ月間実施する。
設置するAIカメラは全部で19台。入口や食品売り場に設置し、買い物客の性別や年代、来店数などを自動で判別する。フロアをどのような順番で移動し、どのくらい滞在しているのかを分析できるようになる。
実証実験はAIによるデータ収集を手がけるスタートアップ、Idein(イデイン、東京都千代田区)と協力して実施。2022年から継続して実施しており、今回で3回目となる。
そごう大宮店での分析の結果、20代の買い物客の約7割が別のフロアを経由して食品売り場を訪れた。一方、30〜60代の買い物客のうち、別のフロアを経由して食品売り場に来たのは5割以下に止まった。
この結果を受け、20代の買い物客の「ついで買い」を誘うしかけを実施するという。さらに、20代向けの品揃えや催事を充実させ、若年層の取り込みを狙う。
今後はAIカメラの全館設置を目指し、オンラインショッピングと同じような顧客情報を収集できるようにする。将来的にはAIカメラのデータと購買情報を組み合わせ、百貨店内の各テナントに情報提供をするサービスを検討している。
AIカメラの多様な使い道
イデインは顔認証と顧客分析の機能を併せ持つAIカメラ「ai cast(アイ キャスト)」を開発した。同社が提供するプラットフォーム「Actcast」を通して、求める機能に合わせたアプリをインストールして利用する。
AIカメラに映った人物の顔が、事前に登録した人物の顔と一致した場合に、その行動をデータ化できる。工場での入退室の管理、イベント会場での入場チェックなどでの活用を想定する。
【関連リンク】
・そごう・西武、AIで来店客の行動分析 27年にも全店導入(日本経済新聞)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC143I00U3A710C2000000/
TEXT:PreBell編集部
PHOTO:iStock
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